観たこともないのですが、うわさに聞く「花火」。物見高い江戸っ子の象徴であるようです。題材として不足はない。さあ、どう料理するか…
両国
おもて裏 前しんがり
花火を観る舟とや
——(え混む)——
くちに乾せぬ酒揺れ
月夜の——水位……
…わあ、揃た…笑め
おもてうらまへしんがり
はなびをみるふねとや
……え こむ
くちにほせぬさけゆれ
つきよの…すいゐ
わあ そろた ゑめ
前後左右。隅田川は花火を観る舟でびっしりだ。
(橋も人でいっぱいだ)
見惚れていると、花火を映して盃の酒が揺れる。
今宵は月も影身だな。運河の水位、潮を湛えて…打ち上げに仕掛けが出そろった。凄い光…凄い音… わっ!
9文字律とするために平仮名を随所、使っていますが、これが、いい詩的配色になっているようです。浮かれて興奮した様子が出ている、と思うのですが……