俳句ポスト365兼題「鷹(たか)」投句結果 | ouroboros-34のブログ

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こころに映りゆく由無しごとを其処は可となく書き付けて
ごうなっだのでありますぐるらめ。

兼題「鷹」に投句しました。9句出したようです。「一富士二鷹三茄子というように、「鷹」は気高いのが本意のようです。アレッ、ナスビは気高いかな?
まあ見てやってください。

○抱きしやいな引き裂きし鷹が鳩
出したかどうか記憶がはっきりしない句です。

●エガケ来る鷹に声なき林かな
エガケ:鷹匠が使う鹿皮のグローブ。

●剥製にあり鷹の義眼のひかりたる

●怒気残す鷹やえがけを襲うごと

●●溢るるも声になさざる怒気の鷹    「人」位選
 ダブリ(まちがって2回投稿したような気がします)

●ひと死すとも鷹は舞うべし桜島
西郷隆盛は僧月照と錦江湾に入水しました。心中したのですが、そのときに隆盛は空に何を見たか。

●怒気癒やすあらき浜風鷹秘して

●鷹匠をかしづかしてや鷹無言
鷹と鷹匠の関係は普通考えているのと逆で、鷹のほうがご主人なんだそうですね。

●鷹多摩のうへ舞ふ僕の上を舞う
旧新仮名遣いの混交。「舞ふ」と「舞う」

●妙高の稜線なぞりて鷹の羽

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〈鷹一つ見付てうれしいらこ崎〉という芭蕉の句が季語「鷹」の例句として挙げられています。
背景の物語を抜きにして単なる写生とみては小つまらない俳句です。わが、いつき組なら「並」ってとこじゃないかな。
飢饉のとき米問屋の杜国がコメの空売りをヤって身分を剥奪され追放の憂き目に遭ったときに西行の本歌取りのこの句で芭蕉が杜国を慰めた内容とわかれば相当の合点が行きます。
下敷きの歌は山家集の「巣鷹渡る伊良胡が埼を疑ひてなほ木に帰る山がへりかな」とあって、飼鷹には2種類あるらしいのです。①巣鷹(雛のとき巣から捕えたもの)②網掛(あがけ。当歳児を黄鷹(わかたか)、二歳以上つまり羽替の後に捕えたものを山回(やまがえり))というそうです。巣鷹は人に馴れやすく命令をよく聞くが山回は馴れにくく自立心が強いらしい。山回の気難しさ、自若とした威厳が気品を感じさせるのじゃないでしょうか。それが「鷹」の本意であると思います。
杜国が追放から2年経った両回(もろがえり。三歳鷹)と見替えて励ました句と思います。