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○「燃ゆるとき」

中井貴一が、カップラーメンを作る食品会社のアメリカ工場の中間管理職を演じる。
業績不振の会社を立て直そうと孤軍奮闘するが、ようやくその努力が実を結び始めた頃、日本では考えられないようなトラブルに巻き込まれ、日本に帰されてしまう。


「金融腐蝕列島~呪縛~」と同じ高杉良原作と聞いて飛びつきました。
しかし、こちらは「金融~」に比べると、随分ノンビリした作品ですなぁ。


もちろん、セクハラ疑惑を捏造して会社にダメージを与える陰謀に弁護士が絡んでいたり、「ユニオン」と呼ばれる労組制度を利用して会社を潰しにかかる陰謀がでたりとハードな展開はもちろんあるんですが、一方では製油会社のボスとサシの飲み比べで根性を見せて契約をとりつけたり、会社の説得に従業員があっさり応えてくれたりと随分イージーな部分も。

それでも嫌な気分にならないのは、登場人物達がとにかく一生懸命にラーメンを売ろうとしている姿に親近感を覚えるからなのかも。
だって、僕も大好きなんですもん、カップラーメン。

一社員の無力感・悲哀なんかも織り交ぜつつ、それでもたくましくアメリカで戦い続ける企業人をコミカルに描いています。


ところで、クライマックスはお涙頂戴の演説となるわけですが、もう少し回想などを織り交ぜて盛り上げた方が良かった気がします。
回想ってのは、確かに多用が過ぎると意味不明になってしまいます。
そしてやたらと回想に頼る悪癖を持つ監督も確かにいるんですが、ただ効果的な武器であることは間違いない訳で、もっと建設的な方向で利用してもらいたいです…。


ときに、鹿賀丈史といえば「麻雀放浪記」のドサケン。
今回も寡黙な支社長役で、いつギスギスした本性を現すかとドキドキしましたが、最後までいい人でした(笑)


解説
http://movie.goo.ne.jp/contents/movies/MOVCSTD8373/index.html


製作年 : 2005年
製作国 : 日本
配 給 : 東映
監 督 : 細野辰興
原 作 : 高杉良
脚 本 : 鈴木智

出 演 : 中井貴一
     大塚寧々
     長谷川初範
     中村育二
     津川雅彦
     伊武雅刀
     鹿賀丈史