こんにちは。
シアトルの航空博物館 The Museum of Flight についての記事の続きです。
前回の記事はこちら。
Aviation Pavilion
こちらは、大型の飛行機が並んでいます。
ただ屋根があるだけの施設になっているので、冬の時期は結構寒いかもしれません。
この建物からも何機かご紹介します。
Boeing 747-100
空の旅を一気に庶民の手の届く範囲まで広げた飛行機、ボーイング747の初号機(RA001)です。
機体が大きすぎて、747のために新しい工場を作ったほど。
展示されている機内では、1969年当時の飛行試験の様子が展示されています。
写真の真ん中に写っているエンジンは、プラットアンドホイットニー社のJT-9Dエンジン。
今でこそ中くらいの大きさのエンジンですが、当時にすれば大型のエンジンです。
エンジンの直径の割にやたら長さが長く感じるあたり、圧縮機とファンの性能がこの半世紀で大きく成長したのだなと感じました。
また、この大きすぎる機体から、就航当時は客席を埋めるのも難しかったようです。
ですが、時代が次第に747に追いつき航空運賃が下落し、多くのお客さんを運ぶ大量輸送時代の幕が開きました。
展示されている機体は、747の開発の後プラットアンドホイットニー社のエンジンテスト用のテストベッドを経て、1995年に当博物館へ寄贈されています。
Boeing 787-8 "Dreamliner"
747とは打って変わり、こちらは現時点でBoeing社の最新の飛行機。
展示されている機体は787の3号機(ZA003)です。
この機体は、航空局から認証を受けるための試験に加え、ドリームツアーを行った機体でもあります。
2011年にANAへの787の納入を開始した後、787の機体の性能や特徴を世界に広くアピールするために、半年かけてワールドツアーを行いました。
このワールドツアーを、当時ドリームツアーと銘打って行っています。
GE90-115B
ボーイング787の隣に置かれたエンジン、アメリカのGE社製GE90-115Bエンジン。
現時点で世界最大の航空エンジンです。
787の隣に置かれているので787のエンジンかと思いきや、こちらはボーイング777-300ER搭載の全く別物のエンジンです。
エンジンをカウルのついていない状態で見られる機会はそうないので、貴重な展示かと思います。
しかも、エンジン周りの部品は、一部パネル類等が取り外されていますが概ね大体の部品は付いているそうで、保存状態が良好です。
チューブやダクト類が狭いスペースに複雑に収められている様子がよくわかります。
Boeing 737-100
最後はこちら。
世界中どこに行っても見ることのできる、ジェット旅客機のシリーズとしては世界最多の生産機数を誇るボーイング737の初号機です。
シリーズ累計で10,000機以上が生産されており、今も最新型の737MAXが生産されています。
展示されている機体は、1967年に初飛行を行い飛行試験を行ったものです。
その後NASA(アメリカ航空宇宙局)に売却され、メジャーなところとしてはコックピット内のディスプレイの開発に貢献していたそうです。
Personal Courage Wing
この建物では、第一次/第二次世界大戦で活躍した飛行機を中心に、主に戦闘機が展示されています。
第二次世界大戦で日本の陸軍の戦闘機として活躍した一式戦闘機「隼(はやぶさ)」も展示されていますが、この建物からは一機だけ。
Messerschmitt Bf 109 E-3
第二次世界大戦のドイツ軍の主力戦闘機、メッサーシュミットBf109です。
アメリカの航空博物館を巡ると、当たり前ですが展示されている戦闘機はほとんどがアメリカ軍の飛行機、たまに出会うのが旧東側の飛行機、稀に日本の飛行機、そんな印象でした。
そんな中、こちらの博物館にはドイツの名機が展示されています。
1935年に生産が開始されたこの機体は、薄くて軽い翼、全金属、密閉式の風防(コックピット)、引込式の脚(タイヤ)など、第二次世界大戦の戦闘機で主流となる設計を世界に先駆けて備えた機体です。
モノづくりのドイツを感じさせる設計の戦闘機です。
ヨーロッパの博物館では多くのところで展示されていますが、アメリカであまり展示されていないので、ぜひ見ていただきたい飛行機です。
まとめ
以上、シアトルの航空博物館The Museum of Flightでした。
写真映えしなかったので、Red Barn(ボーイング社の歴史の展示)については割愛しましたが、こちらの建物も興味深い展示が多いのでおすすめです。
全体を通して、圧倒的なクオリティとボリュームだったのが印象的でした。
一回見始めるとかなりの長時間を使ってしまいますが、シアトル観光の一つに加えてみてはいかがでしょうか。