作業療法士を目指す学生の国試問題

作業療法士を目指す学生の国試問題

ほぼ毎日にのペースで1~3問国試問題の解説を載せていきます。
個人の学習のためなので、間違いが多々あると思うので、その際はコメントで教えて頂くとありがたいです。

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高齢者における骨折のリスクでないものを2つ選べ.

1.易転倒性

2.骨吸収マーカーの低値

3.骨形成マーカーの低値

4.既存の脊椎圧迫骨折

5.高年齢

 

解答 2.3

 

解説

易転倒性、既存骨折、低骨量、骨代謝回転マーカー(骨吸収マーカー、骨形成マーカー)の高値、高齢が骨折のリスクとして考えられる.

 

 





 

 

 







 














高齢者の糖尿病の特徴で誤っているものはどれか。2つ選べ

11型よりも2型糖尿病が多い.

2.口渇の症状が出にくい.

3.血糖降下薬による低血糖症になりにくい.

4.加齢に伴い2型糖尿病の頻度は減少する

5.高齢者でも食事と運動療法は2型糖尿病の治療の基本である.

 

解答 3.4

 

解説

加齢とともに耐糖能は低下し、高齢者の2型糖尿病は高率となる。渇中枢の機能低下などから口渇の自覚症状に乏しい。高齢であることそのものが低血糖発症のリスクである。

 

 

 

 

 















次のうち,高齢者で痴呆と間違われる症状を呈する可能性の最も高いものはどれか

1.高血圧症

2.甲状腺機能低下症

3.痛風

4.高脂血症

5.狭心症

 

解答 

 

解説

甲状腺機能の低下は代謝の低下をもたらし、精神神経活動の不活発さをもたらす。動作や言語は緩慢となり、高齢者ではしばしば痴呆と間違えられる。

 

 

 

 

 



 

 

 




高齢者の症候で気をつける組み合わせについて誤っているものはどれか

 

1.発熱が原因―脱水

2.転倒が原因―骨折

3.誤嚥が原因―脳梗塞

4.睡眠薬が原因―昼間傾眠

5.義歯が原因ー頭痛


解答 3

 

解説

脳梗塞が原因で誤嚥をおこすことがある.

 

 

 

 




























 高齢者の特徴として誤っているものはどれか

1.高齢者の急性心筋梗塞では心電図上,STが上昇しにくい.

2.高齢者の虚血性心疾患では胸痛を自覚する頻度が少ない.

3.一般に,血圧は加齢とともに上昇する.

4.高齢者は薬物代謝許容量が小さいので,副作用が出やすい.

5.高齢者高血圧症も治療する必要がある.

 

解答 1

 

解説

高齢者の疼痛閾値は上昇しているが、虚血に対する心電図の変化に年齢差はない.

 











 重症痴呆の程度を測定することが困難なものはどの指標か。2つ選べ

1.かなひろいテスト (浜松方式)

2.柄澤式老人知能の臨床的判定基準

3N式老年者用精神状態尺度

4Dementia Behavior Disturbance Scale

5.長谷川式簡易知能評価スケール改訂版


解答 1.5


解説

観察方法以外で患者の協力を必要とする指標は、重症痴呆では使用可能率が低いか、または測定不能である。

 

 

 

 




















 高齢者の腹痛について誤っているものはどれか。2つ選べ

1.食事と腹痛との関連が重要である

2.上腹部痛の原因には心臓疾患もある

3.発熱がなければ腹膜炎の可能性はない

4.下腹部痛の原因は消化器疾患である

5.血圧や脈拍などの全身状態の観察も必要である.

 

解答 3.4

 

解説

腹痛の原因はさまざまであり、消化器疾患のみとは限らない。高齢者は発熱がなくても腹膜炎を否定できず、全身状態の観察が重要である。

 

 

















 






知能の発達と老化について正しいものはどれか。2つ選べ

1.知能は20歳ころにピークに達し、その後は低下する

2.知能のピークは30代であり、その後低下する.

3.知能のなかでも、結晶性知能は20代から60代まで徐々に上昇し、その後ゆるやかに低下する.

4.流動性知能は, 30代ころにピークに達したのち、60歳ころまで維持され、その後の低下は結晶性知能より大きい

5.結晶性知能は、教育や職業を通した社会的訓練とは無関係である


解答 3.4

 

解説

知能は少なくとも60歳ころまでは発達する。その後の低下は結晶性知能と流動性知能で異なる。結晶性知能は教育や職業からの訓練を通して発達する.

 

 

 

 

 









高齢の痴呆患者(浦島太郎とする)を呼ぶときに最も適切なものはどれか

1,浦島さん

2·浦島君

3·太郎ちゃん

4·おじいさん

5·上記のいずれでもよい。

 

解答 1


解説

高齢者は人生の先輩であり、痴呆があっても敬意をもって対応するべきである。友だちや子供に対するような呼び方は不適当。おじさんと呼ばれることを好まない高齢者も多い.














 

慢性気管支炎患者の喫煙についての指導で最も適切なものはどれか

1,禁煙をすすめる必要はない.

2·禁煙の必要性を1回説明しておけばよい

3·禁煙の必要性を説明し,禁煙ができなければ繰り返し説明するが、無理強いはしない.

4.厳しく指導し禁煙させる.

5.禁煙は困難なので節煙するよう指導する.


解答 3

 

解説

慢性気管支炎患者は禁煙させるべきである。しかし、禁煙するかどうかは患者側に決定権があるので無理強いはすべきではない。節煙は慢性気管支炎に対してはほとんど効果がない。

 











 

l 高齢者の運動機能の特徴として正しいものはどれか

1.最大筋収縮力の低下は直ちにADL低下につながる

2.歩行時の両脚支持相の割合が増加する.

3.椅子からの立ち上がりより畳からの立ち上がりのほうがより困難になる.

4.認知機能の低下は運動機能には影響しない.

5.複雑な動作より、純な動作のほうが遅くなりやすい


解答 2.3


解説

生理的な加齢変化のみで直ちにADLが損なわれるわけではない。しかし,生理的変化に病的変化や廃用性変化が加わるとそれらの相乗効果によってADLは著しく障害されることになる。歩行や立ち上がりなどのわずかな変化についてよく理解しておくことが大切である。

 

 

 

 

 

l 老年者の人格特徴で正しいものはどれか.

1.老年者は、皆頑固である。

2.老年者特有の人格特徴などはない.

3.人格変化は脳の老化や痴呆の進行によっておこりやすい.

4.老年者になると、うつうつした気分になる

5.加齢とともに被害的になる


解答 2.3


解説

古くから,年をとると老年者特有の人格特徴が現れるといわれてきたが、それは現在では否定され、健康な人の人格は生涯安定している見解が主流となっている。人格が悪い方向に変化した場合、それは病気や痴呆の発現のための症状が人格変化に現れたといえる。