大柄って素晴らしい
marimekko がアジアを中心に巡回している花柄の企画「Field of flowers」、現在はクアラルンプールでPOP-UP 展開中です。
この企画には5人のデザイナーがそれぞれ5点、花柄の生地をデザインして参加しています。
私の場合、ラフアイデアの段階ではデザイン案はもっとあったのですが、その中からディレクターの方がチョイスし、そこからさらにデザインをブラッシュアップし、調整していったのです。
私の中で今回、特にこだわったポイントの一つが柄のサイズ感です。
小さなアイテムにも展開しやすい小柄から、何に使うのか分からないくらい大きな柄のものまで、タッチだけではなくサイズ感を意図的にバラつかせ、異なるさまざまな花柄をデザインしました。
中には、ラフ段階の20%くらいまで大きさを小さくスケールダウンしたものもあります。
今回デザインしたものの中で、特に気に入っているのが rantakukka というデザイン。
これは与えられた画面、目一杯の大きさで1輪の花を放り込みました。
大柄ということもあり、pop-uoを告知するビジュアルとかにもよく使われています。
この柄はディレクターの方が私の過去の仕事のアーカイブの中から「こういうのも良いと思う!」と、進言してくれたことからスタートした柄でした。
多分、私1人で考えていたらここまで度胸のいるデザインは提案できなかったのでは?と思っています。
テキスタイルというカテゴリーの中で、大柄というものは魔性というか、禁断の果実というか、
おそらくはテキスタイル、特にプリントテキスタイルに関わっている人の多くがこの「大柄」というものに何らか取り憑かれてこの道に入ったと言っても過言ではないのでは?それほどの魅力を持っていると思います。
大きな柄が生地にバーンとプリントされて、ただユラユラしている
何て素晴らしい!( ゚∀ ゚)
大柄の生地、バンザーイ! バンザーイ! バンザーイ! ヽ(;▽;)ノ
でも、柄が大きくなればなるほど使い道は限定されて、役立たずになっていきます。
そこがネックというか、ジレンマというか、悩ましいところなのです。
でも、誤解を恐れずに言わせてもらうと、、、というか間違いを承知で言わせてもらいますが
何に使うのか分からない生地ほど素晴らしいものは無い(迷言)(゚Д゚)ノ
という事で今回作った生地たちは rantakukka を筆頭にどれも良い感じに仕上がりまして
自分的には「やった感」があったのですが
先日、別企画でマリメッコからアーティストコラボシリーズがリリースされまして
スウェーデンのコンテンポラリーアーティストのPetra borner という人のデザインで
これが
めっちゃ良いのです。
あんまり良いのでマリメッコのショップに実物を見にいきまして
実際のを見てもやっぱり良いので購入しようと決意し、ショップの人に
「1リピートは何センチですか?」
と聞くと
「あ、この柄はちょっと特殊で、、、180cm です!」(^0^)/
180cm!
まじ? (゚Д゚)
でかっ!
よく見ると、約90cmリピートの版を2連で組んであって、型口も直線にバッツリ切っていて(もうちょっとまともな片口切れるだろ!と突っ込みたくなるほど見事な切りっぷり)
リピート巾を稼ぐためだけを考えた版構成、、、お見事、、、
嗚呼、自分ももっと自由に伸び伸びとやった方が良かったのではないか?と、よく分からない想いが頭を巡る。
大柄って素晴らしい。何だか分からないけど素晴らしい。
何だかよく分からない想いを抱えながら2.5mを購入。約2万5千円なり。
そんな何に使ったら良いか分からないような大柄の生地を買って何するのさ ってか?
そんなの畳んでしまっておいて、たまに広げてニヤニヤと眺めて、また畳んでしまっておくに決まっているではないの!
テキスタイルで稼いでテキスタイルに使う
地産地消(ちょっと違う)
良いのだろうか、、、楽しいからまあ良いか。