ABAのこわいところ | 国分寺発達障害児学習指導教室smileのブログ

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国分寺市にて、発達に不安のあるお子さまを対象に、個別指導を行っております。
ABA(応用行動分析)を基盤に、一対一体制・60分のセラピーをやります。
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すっかりブログがご無沙汰になってしまいました。
新しいセラピストを四人迎えることとなり、楽しく忙しい毎日に追われていますニコニコ



今日は、ABAについて、考えていることを書きたいと思います。


私は、実は、ABAのやり方は、ある意味、危険な側面もあると考えています。


ご褒美を使って、行動を強化したり消去したりしていくわけですが、見えているその行動の「動機」が何であるのか、が、実際には、すごく重要になってくると思うのです。

しかし、
動機によっては、対応を変えるべきである、
という考え方が、ABAのマニュアルから抜けているように感じます。

動機を読み間違えると、強化も消去も、逆効果になる場合があります。
「行動」だけ見てアプローチするのは、少しこわさを感じます。

「問題行動」に対して、動機を考えずに、
ただ消去しようとすることは、時に遠回りになることもあります。
うまくいかない場合は、たいてい、動機を読み間違えています。動機が二つあることもあります。
自分の対応は間違っているかもしれない、という視点を忘れずに、いつでも方向転換する柔軟さを持つべきだと思います。


毎日、生徒さんからの、いろんなご相談を聞いていますが、問題行動の裏にある本人の気持ち
というのは、同じに見える問題行動でも多種多様です。

たとえば、他害ひとつとっても、動機は様々です。ただシンプルに、その行動に対しての消去を試みるだけでは、うまくいかないことも多いです。
他害に対して、無視やタイムアウトという、消去するためのアプローチをとるかどうかは、注意深く、隠れた動機を考えてからでないと、危険だと思います。

かんしゃくに対しても同じです。

かんしゃくは、基本的には「無視」というアプローチが主になりますが、
消去すべきなのは、「かんしゃくという伝え方」であって、「かんしゃくを起こす原因となった気持ち、感情」に対してではありません。
かんしゃくを消去しようとするとき、かんしゃくの原因となった子どもの気持ちは置き去りになりがちです。
気持ちに対してはきちんと受け取っておかないと、子どもは、ただ否定されたという理不尽さしか感じないでしょうし、なにがいけないのかが分からなくなります。
「泣いたりわめいたり暴れたりする伝え方」がいけないのだと、子どもにちゃんと理解してもらわなくてはいけません。
「もっと遊びたかったなあ」「先にお店に行きたかったなあ」「もうこれはやりたくないなあ」という元の気持ちを表現する手だてを作り、その気持ちを代弁してあげることも大事だと思います。気持ちが伝わると、子どもはいくらかは満たされます。
それでも「今は我慢しなくてはいけないね。いやだね。イライラするね。でもがんばろう。」
と気持ちに共感し、代弁して、
「がんばったら、いいことがあるよ」 
「我慢できたらえらいね」
と、我慢に対するご褒美を呈示します。
(トイレによくある「いつもきれいに使ってくださりありがとうございます」の貼り紙に、似た原理です、、個人的には、アレ、イラッとしますが笑)

最初は、子どもが、我慢をしやすいように、お膳立てをするのです。
我慢に対するプロンプトとなります。
それが、子どものかんしゃくに対して、後手に回ってしまうと、かんしゃくを強化する場合もあるので、
必ず先手
で。
先回りして、子どもの感情を代弁し、共感し、我慢に対するプロンプトをするということです。

かんしゃくの消去をする際には、
いろんな根回しが必要になります。

基本的なことですが、
先に紙に書いて(視覚的に示すことは大事です)説明し、見通しをつけておいてあげる(1.○○、2.○○というように分かりやすく説明をする等)
とか、
他の、適切な伝えかたの手段を用意しておいてあげる、適切な伝えかたに対してご褒美をあげて強化しておく(分化強化)
とか、
可能な範囲で、生活スタイルを整えておく(ベースの感情を安定させておく)

など、それぞれのケースによりますが、
いろんな側面からのアプローチが必要になると思います。


消去には、子どもに大きな負荷がかかってくるので、他でフォローが必要にもなります。
きちんとフォローをしておかないと、過度のストレスにより、ベースとなる感情もイライラとしてきますので、感情をコントロールする力も低くなり、悪循環です。
フォローというのは、
我慢できたことに対するご褒美とか、思いきり発散できる場所を作ってあげるなど、子どもが満たされる時間を提供することです。



ABAは基本的に行動に対するアプローチですので、シンプルな方程式となっていますが、行動の意味を読み間違えないようにしないと、こじれる場合もあると思います。
やけに消去に時間がかかるなあと思ったら、もう一度、行動の意味を考えてみるべきだと思います。


ABAは、正しく行えれば、確実に成果が出るやり方です。もし害が出るとしたら、厳密に言えば、ABAではなくなっていると思います。
しかし、ターゲットとする行動だけを見るのではなく、子どもの全体を見ることは大事だと思うのです。

「週に40時間ABAセラピーを行うと成果が出る」というのも、データに基づいたことではありますが、そこ(時間)にとらわれすぎないほうがいいと思います。
そして、当たり前ですが、成果の現れ方は、生まれ持った能力によります。 
軽度の方のほうが、成果は現れやすいように感じます。
知的障害の重度、中度、軽度というのは、発達検査に基づいて診断されることが多いですが、もともと軽度であるけれど発達検査のIQは低く出ることはよくあります。(当教室でも、IQが一年で30.40上がることはしょっちゅうです。)
ですので、重度の知的障害があったのに、週に40時間セラピーをやったら正常域になった、と言っても、もともと力があったお子さんなのだろうと思うのです。
もちろん、本当に重度のお子さんにも成果は出ます。しかし、週40時間セラピーをやれば正常域になるか、というと、それはないと思います。
正直に言って、ある程度の数の生徒さんを見てきて思うのは、生まれ持った力の部分が大きいということです。療育で出来るのは、子どもの持っているのびしろの分だけ、精一杯のばしてあげることです。


私の娘が三、四歳の頃、同じ療育施設のママで、ABAを頑張っている人がいました。毎日基本どこにもいかず、家でセラピーをやっているようでした。だいぶ参っているように見えました。

オムツが取れなかったり、自分で靴を履くのも難しいようなお子さんが、小学校の普通級に入っているのを見たことがあり、お母さんがシャドーで入っているようでしたが、そのお母さんはABAをやっているようでした。
私の周りの友達は、ABAのことを知らなかったので、なんだかこわい、という印象を持ったようでした。
重度のお子さんが普通級に入って同じ授業を受けて、その子は本当に楽しく満たされ充実した時間を過ごせるのでしょうか、、?
その子にしか分かりませんが…。


やりすぎでは?
と思ってしまう人も多いように感じるのです。
個人的な意見ですが…


週に40時間やらなくても、ちゃんと成果はでます。

子どもへの関わりって、バランスが大事だと思います。
私は、小さい部分でも、大きな部分でも、どんなバランスになっているか、いったん引いて、みるようにしています。


人間は、人間でない動物に比べて、もっともっと複雑な生き物です。
時には、パブロフの犬のようにはいかないのだと、感じています。





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