民営選挙からおよそ5年を迎えようとしている。この間、右往左往したのであるが郵政民営化の将来ビジョンは一体どうなっているのであろうか。

[14日 日経]日本郵政、正社員登用に3万4000人応募


日本郵政グループは14日、現在の非正規社員を正社員に登用する計画について、3万4098人の応募があったと発表した。勤続3年以上といった応募条件を満たした社員は約6万5000人で、その半分以上が正社員になることを望んだ。8月から2回にわたって採用試験を実施し、11月をメドに正式に登用する。不合格者が研修を受け、何度でも挑戦できる体制も整える。



応募者をグループ会社別にみると、郵便事業会社が2万8585人と全体の8割を占め、郵便局会社の4442人が続いた。持ち株会社である日本郵政でも、宿泊・保養施設「かんぽの宿」などで働く社員の応募があった。



日本郵政グループは約20万人の非正規社員を抱える。全従業員の5割を占めるため、亀井静香前郵政・金融担当相が日本郵政の斎藤次郎社長に正社員への登用を求めていた。亀井氏は10万人程度の登用を打ち出していたが、実際の希望者はその3分の1にとどまった。



仮に3万4000人を正社員にすると、人件費負担が年700億円程度増える可能性もある。

日本郵政グループ全体の非正規社員は21万4000人に上る。

正社員の試験に応募できるのは、原則として勤続3年以上(月給制は2年以上)で週30時間以上働く期間雇用社員60歳未満の約6万5000人が対象。

非正規社員の正社員化は、亀井前金融・郵政改革相が郵政改革法案とセットで打ち出していた。当初掲げていたのはなんと「10万人の正社員化」である。

郵政改革法案は鳩山前首相の退陣によって廃案となったものの、非正規社員の正社員化は日本郵政の斎藤社長が廃案とは関係なく正社員化を進める考えを示していたことを実行に移した。

正社員の増員により今後10年間の平均で1人当たり年間200万円の人件費増につながるもようだ。

仮に3万4000人全員を正社員した場合、人件費負担が年間で700億円程度増える可能性もある。

また、これに付随して郵政民営化で廃止となっていた社内研修機関「郵政大学校」も復活させた。グループ全社員を対象に研修を再開することになっている。

しかし、ここまでくると郵政民営化とはいったい何なのだろうか。

効率化や収益向上とは程遠いまま、半公務員的な扱いとなる人員の大幅増強とは経営判断として正しいのか。

郵政民営化として抜本的な改革には、業界別における規制緩和と既得権益の打破が必要となろう。

果たしてユニバーサルサービスとして郵便事業と金融事業を同時に抱える必要があるのだろうか。

やはりグループを金融事業と郵便事業に分離するのが効率的ではなかろうか。

ゆうちょ銀行やかんぽ生命保険の金融事業は世界有数の金融コングロマリットとして、またジャパンマネーとして世界各国の脅威となるべきであろう。

一方、郵便事業は既存の事業よりも新形態の事業での展開を図り国内において安定収益を確保すべきだ。

このままではグループ全体で衰退の一途を辿ることになるだろう。
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