たまっていくものを眺めて | 大塚角満オフィシャルブログ「大塚角満のブログ」Powered by Ameba

たまっていくものを眺めて

 クラウドサービス"Evernote"を使い始めてから1週間ほどが経過した。ふいに思いついたことを書き込んでおいて、いつでも、どの端末からでもアクセスして引っ張りだせるという使い勝手はとてもステキで、アイデアやひらめきといったものが業務の重要な位置を占めている俺たちのような人間には、ジャストフィットしたサービスと言えそうだ。

 しかしまだまだ手探りなのは事実で、結果「どうにかして使いこなそう!」とか「有効利用しないのは罪悪だ!」とまで思って、必要以上にEvernoteを使おうとしているキライがある。つまり、空回りしているわけですね。

 こういった文章を書くときもそうだ。「Evernoteを使わねば損だ!!」という気持ちばかりが先行しているので、ジャストアイデア的な文章や書きかけのものも、片っ端からクラウドの中に入れている。こうしておけば、続きの文章をひらめいた瞬間に手持ちの端末からアクセスして作業に入れる……という打算からきている行動ではあるが、ぶっちゃけこいつがまったく機能していない。

 なぜか? じつは理由もわかっているのだ。

 人によって文章の書きかたはいろいろだが、俺は基本的に文の頭から終わりまでを、休むことなく一気に書いてしまうというスタイルを採っている。この手の短文はもちろんだが、『逆鱗日和』などの単行本サイズで7ページとか8ページにもなる長文のときも、この書きかたは変わらない。『本日もトッテオキ! 逆鱗日和』に載っている妄想小説もそう。フローチャートなんて作ったことがないし、文章の断片をたくさん書いておいてそれを編集でくっつけて……ということもやったことがない。そのときに頭の中で組み立てたものを、文章として吐き出しているだけなのだ(人はそれを"テキトー"と呼ぶ)。おかげで、せっかくおもしろい表現を思いついても、キーボードを叩いているうちに忘れてしまうことが多々ある。

「あれ……? 俺は何を書こうとしていたんだっけ?? なんかすげえおもしろいことを思いついたような気がしたけど……」

 こんな感じで途方に暮れることはしょっちゅうだ。

 使いにくいキーボードでミスタッチを連発してしまうときなんて、とくにそうですね。なので俺は"キーボードフェチ"と言われるほどキータッチにうるさく、実際にいろいろ買って試している。……って、これはまったく関係のない話だった! ……ね、簡単に脱線するでしょう。

 で、強引に話をもとに戻すけど、俺はこのような文章の書きかたをしているので、いくらEvernoteに文の断片を入れておいても、まったくそれを活用しようとしない。ただただ、じょじょに増えていくクラウド内のテキストの"量"を眺めて、「ヨシヨシ、増えてきた増えてきた。もっとたくさん入れてあげるからね^^」と喜んでいるだけだ。これじゃあ、小金が貯まってきた貯金通帳を眺めたり、水槽のグッピーが子どもを産んだのを見てニコニコしているのといっしょだよな……。

 Evernote、まだまだ修行中である。