人格破壊(32) | ㈱OTS探偵社・梅木栄二の「グダグダ」小説!

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現役探偵・梅木 栄二(50代)の日々考えている事を事務所に帰った時まとめてみるつもりだったのが・・・。
いつしか勝手に小説化!へタレでド素人な小説読んでやって下さいぃ~。

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(21:00)


相変わらずモニターにはワゴン車の姿だけが映し出されている・・・。


Y君は・・・白のガウンにビニールの帽子(これ何ですっけ?)という信じられない井出達でモニターを見張っている・・・。


もう入室して2時間以上経過していた・・・。まだ出ないのだろうか・・・


あくまで憶測であるが・・・この調子でいけば対象者の「相手」は止め処なく増え続けるだろう・・・・。


最初から不特定多数の相手が存在する訳では無く、時間の経過が相手の数を増やしているダケなのだ。


もうこれ以上・・・対象者に「罪」を重ねて欲しくないという気持ちもある・・・。



(21:30)


対象者とヤニ下がった表情(に見える)男性の退出する姿をモニターで確認する・・・。


相手の会社も・・・・ワゴン車のNoも全て分かっている・・・今夜は何だかがっついて追いかける気持ちにはならなかった・・・。


「もういいすか?」


「ああ・・・もう今日は充分だろう・・・」


「じゃあ片付けますね。」


「うん・・・頼むよ・・・」


何だか空しさだけが残った・・・。



【翌々日】


私は調査期間を残しT氏と会う約束をしていた・・・。T氏は粗いつもの時間に事務所に訪れた。


「まだ・・・調査期間は残っていると思いますが・・・全て結果が出たんでしょうか・・・」


T氏の表情に困惑の色が広がる。


「これが全てかどうかは分かりません・・・しかし1日も早く今後を考えたくて・・・勿論、残された日数分については御請求致しませんから・・・とりあえず報告書の経過を・・・」


私は私物のノートパソコンに現在判明しているだけの報告書を作成し、T氏に見せた・・・。


今日は・・・・Y君だけでは無く、他のスタッフも全て事務所内に居る。T氏の予想を超えた行動を抑止する為である・・・。


マウスを操作しながら・・・T氏の表情が青ざめていく・・・いや、赤くなっていく・・・。


見たくないモノを見せられる辛さ・・・それは想像を絶するに余りあるものであろう・・・。


T氏が呟いた・・・・


「梅木さん・・・」


「はい?」


「この状況で・・・・・やり直す事なんて・・・・・出来るんでしょうか・・・」


「・・・・・・・・」


私も言葉を失った・・・。


沈黙の時間は・・・ほんの数分でさえ数時間の長さに感じられる・・・。


PCを見つめるT氏の目は空ろで焦点も定まらぬ程・・・一瞬で疲れきった表情に変わった・・・。


「Tさん」


「・・・・・・・・」


「今、この現実を目の当たりにして・・・・非常に聞きにくい事なのですが・・・」


「・・・・・・・・」


「・・・・・ここまで奥様が堕ちてしまった原因が未だ良く分からないのです・・・」


私は何を訪ねているのか・・・・何のフォローにもなってはいない・・・。


しかしこの現実に・・・今の段階でフォローする術は無いだろう。


私は・・・・一か八かの賭けに出る・・・。というよりは・・・爆弾で爆風を消し去る方法に出る・・。


「Tさん・・・兎に角、今の段階で結論を出す事は非常に難しいと思います。それよりも・・・」


「・・・・・・・」


「常習的に逢瀬を重ねている男性も何人かいます・・・兎に角・・・まずは戦ってみましょう。」


「・・・・・・・具体的にどうやって・・・?」


「それを今から打ち合わせするのです・・・」


「・・・・・・・・・・・」


私は・・・・これからが本番であると・・・気持ちを切り替えた。


(続く)