4番・畠山和洋 | 羽ばたけ、燕たち

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スワローズのことがメインですが、それは表の顔で最近は裏の顔である小説書きが表の顔を制しつつあります

  僕にとっての4番バッターは、いつになっても畠山和洋であり続けるのだと思う。

  初めてプロ野球観戦に行った日、スワローズの4番に座っていたのが12球団で最も年俸が低い4番こと畠山和洋だった。
  その試合ではチャンスでセカンドライナーを打っていたような、そうじゃなかったような。
  いずれにせよ、僕にとって初めての4番バッターは畠山だった。

  畠山と言えば、丸いフォルム、髭、パチンコ、練習嫌い、大まかなイメージとして挙がってくるのはこのあたりだろう。
  あの温厚な小川監督を怒らせたことでも有名だ。
  そう、彼は愛すべき不良だった。
  
  2009年には助っ人・デントナの加入によって出場機会が減少したが、2010年途中から小川淳司氏が監督代行となると打撃を活かすため畠山をレフトで起用し、彼もその期待に見事に応えてみせた。
  翌年には再び一塁のレギュラーを掴み、恩師・小川監督を打棒で支え続けた。

  畠山最大の魅力は、山賊のような見た目とは裏腹にとても器用な打撃をするところだ。
  点を取ること、ランナーを進めることに関してはチーム内ではピカイチの技術を持っていて、ヒットでなくても得点できる場面では無理にヒットを狙わずに確実に転がしたり、犠牲フライを放つことでコツコツと打点を積み重ね、チームに勝利をもたらした。
  チームが勝つために自分がすべき事を、誰よりも理解し、見事に体現してみせた選手が、畠山和洋なのだ。

  だから彼は4番足り得る。
  いや、だからこそ彼は紛うことなき「4番」だったのだ。

  そしてこれからも、僕の胸の中では4番として輝き続ける。
  コツコツと積み上げた打点は、僕らの心に畠山和洋という選手の生き様を刻み込んだ。

  ありがとう。
  僕の4番バッター。また会う日まで。