104年前は大正7年 | レールは、こころをつなぐ道。
大谷翔平選手の104年ぶりの偉業の話題で盛り上がっていますが…

 

ベーブ・ルースがその記録を達成した104年前とは、いったいどれくらい昔なのでしょうか。

 

西暦1918年は和暦では大正7年となります。

世界は第一次世界大戦の終わった年です。

日本では京都電気鉄道が京都市電に買収された年です。

手前の模型と奥の電車は京都電気鉄道(狭軌)で左の電車は京都市電(広軌)の車両

 

↓梅小路公園市電展示室

 

関連法令の整備もなく、路面電車がどの様な物か誰も知らない状態で、認識も評価もまだ無く、認可を渋られた京都電気鉄道(私鉄)は「営業期間を30年とし、期限満了になれば何時でも電車を取り除きます。」との条件付きで建設を始めた日本最初の電気で走る鉄道の営業を1895(明治28)年に開始しましたが、17年後の1912(明治45)年開業の京都市電との熾烈な営業合戦に敗れ、30年を待たず開業から23年で買収されたのが1918(大正7)年です。

1914年の中書島延伸からは市電との競争過熱で経営が悪化し路線延長は出来ませんでした。

 

その23年の間に大阪市では1903(明治36)年に市営電車が開業していて、これが日本最初の市電ということになります。
また東京市電も私営電鉄を買収する形で、1911(明治44)年京都より1年早く開業しています。
なので京都市電は日本で3番目の市電という事になります。

京都電気鉄道も含めると日本最初の市電と言えるのでしょう。

 

1960年頃の京都市電路線図

 

 

京都市電は、その買収から60年後の1978(昭和53)年に全廃となり、通算83年の路面電車の運転を終了しました。

 

先日近所の信用金庫に、雪の日の店舗前に市電が走っているのを撮影していた写真をプリントして渡したところ「ここを電車が走っていたんですね!」と言われました。

今や京都市電の全廃からも44年が経ち、京都に路面電車が走っていた事も忘れられようとしています。

 

104年前は京都電気鉄道が「電気鉄道のパイオニアとしてその名を残すのみ」となった年でもありました。

私にとって104年は想像以上に遠い昔でした。