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定年後「幸せを感じる人」と感じない人の決定的差 迷わずに人生の区切りを迎える重要なテクニック

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東洋経済オンライン

(写真:nonpii/PIXTA)

 

多くの会社勤めの人は、必ず定年退職を迎える時がきます。

 

もっと働きたい人、何かこれまでの経験を活かしたい人、悠々自適に暮らしたい人……、人それぞれ定年の迎え方はさまざまです。

 

一方、日本人の平均寿命は男性が81.05歳、女性が87.09歳(厚生労働省・2022年)ですので、定年後もまだまだ長い人生が待っています。

 

人生の岐路を迎え、以降の人生も幸せに生きていくためのテクニックがあるのであれば、これを誰もが知っていて損はありません。

 

このテクニックについて、『ゆるく生きれば楽になる』の著者で、高齢者専門の精神科医として40年近く高齢者医療の現場にいる和田秀樹さんによる提案を同書より一部抜粋してお届けします。

 

 ■仕事がなくなって楽になったと思える人は幸せ

 

  60歳で定年を迎える人は多いでしょう。

 

当然まだまだ元気で、その後も何らかの形で働き続けるはずです。

 

けれども還暦を迎えるこの年齢は、人生のひと区切りでもあり、自分のこの先のことを考えるいい機会になります。

 

 自分はあと何年働き続けるのか、どのくらい働けるのか。

 

そのまま同じところに居続けるのか、別のところへ移るのか。

 

おそらく5年、10年もすると仕事自体を辞めるのか続けるのかと考えて、さらに大きな人生の岐路に立つでしょう。

 

  長年働かなくてはいけないと頑張り続けてきた人にとって、所属も地位もなくなるのははじめての経験かもしれません。

 

いよいよ仕事をしなくてよくなったら、そのとき何を思うのでしょうか。

 

  仕事をする自分、企業の中の自分、肩書きのある自分に価値をおいて生きてきた人は、「肩書きがなくなってしまった」「社会的な居場所がなくなってしまった」「自分はもう求められていない」と喪失感に襲われるでしょう。

 

逆に、「やっと解放された」「楽になってよかった」「自分らしく生きられる」と思う人もいます。

 

 それまでどれほど頑張って、認められ、昇進したとしても、仕事を辞めた時点で新しい価値観の中で生きていくことになります。

 

それまでの経験や功績がなくなるわけではありませんが、もはやそれが人生の基準ではありません。

 

  そのとき、さまざまなしがらみから離れて「楽になった」「身軽になった」と思えるのがゆるい考え方です。

 

「自分のやってきたことはもう通用しない」「もう敬われる対象ではなくなってしまった」などと考えていては先々つらくなるだけです。

 

 ゆるく生きられない人はとかく物事を勝ち負けで考えがちです。

 

以前より地位が下がったとか、収入が下がったということを、負け組だと思い込んでしまいます。

 

  けれども、他人の分まで責任を負うこともないし、逃れられない人間関係に苦しむこともなくなります。

 

十分働いてきたあとは「のんびりできていい」「毎日が気楽で嬉しい」と思えるのがゆるい老後につながる生き方です。

 

  これで人生終わりではありません。

 

60歳を起点にすると、あと余裕で20年か30年は新しい人生が続くのです。

 

■定年が近づいたらその後の人生を第一に考える

 

  定年が近づいてくると、そろそろ自分がどこまで出世できるのか、この先どんな待遇を受けるのかという位置づけがおよそわかってくるはずです。

 

  どうやらあまり昇進は見込めないようだ、この先大きなプロジェクトにかかわれそうにもないと気づいてしまったら、残りの会社人生をどう過ごしますか。

 

これまでお世話になった恩返しのために、最後まで手を抜かずに一生懸命に働こうと思うなら、少し発想を転換したほうがいいでしょう。

 

 会社を去った後のことを、まず第一に考えるべきです。

 

まだまだ自分の力を発揮できる同業他社に移るもよし、今まで興味のあった業界にチャレンジするもよし、起業も視野に入るでしょうし、職種によってはフリーランスになることもできます。

 

  「会社のために誠心誠意尽くして、残りの仕事人生をしっかりと締めくくろう」などと真面目に考えても、それを評価してくれる人はいませんし、誰からも求められてはいません。

 

その後の人生のために、今ある人脈やスキルを活かして何かやりたいことをやろう、そのための道を探ろうと考え始めるほうが得策のような気がします。

 

■ゆるく生きれば老後が楽しくなる

 

  「今、この勝負に勝たなくてはならない」「今、うまく立ち回らなくてはいけない」と一生懸命に頑張った結果、仮に運に恵まれ、人にも恵まれて社長や教授になることができたとしても、その先がどうなるかは誰にもわかりません。

 

  出世競争に没頭すると、知らず知らずのうちに仲間が離れてしまったり、意図せず多くの敵を作ってしまうこともあります。

 

その結果、待っているのは寂しい晩年ということになりかねません。

 

 仕事はできるものの視野が狭い人たちは、できない人を見下したり、年上の人を立てなかったりという無礼を働きがちです。

 

多くの人からは敬遠されて、つきあうのは仕事上の関わりがある人ばかり、利害関係が働くので、心の底から信頼できる人はいないでしょう。

 

立場が変われば、自分のまわりには誰もいないという寂しい人生になりかねません。

 

  逆に、ゆるく生きて、まわりの人ともフランクに仲良くしてきた人は、年をとってもともに楽しめる友達がたくさんいるでしょう。

 

 今、この場で勝つことよりも、長い目で見てうまくいくことのほうが意味のある人生になります。

 

たとえ人生の途中で苦しいことがあっても、今のことばかり考えずにさらに先を見る目を持つ、そんないい意味での開き直りが大切です。

 

和田 秀樹 :精神科医

 

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