【フジ子・ヘミング 魂のことば】より ~フジ子・ヘミング 著~
私はよくミスをするし、音を飛ばしたりもするけれど、それでもいいんじゃない。
それよりも私の音楽で人を感動させることができたら、そっちのほうが素晴らしい。
良い音楽を理解するためには、その人が高貴な精神を持っていないとできないものだと思うわ。
私の演奏が日本の観客をこれだけひきつけたのだから、
きっと日本には豊かな心の持ち主がたくさんいるってことなのね。
敦賀ひろき、
彼の音楽は魂の叫びとでも言おうか、
20代に書いた曲はその資質を持つからこそのエネルギーと、
苦悩と反骨と世の中へのストレートな訴えだったのかもしれない。
だからこそ、「軽くてポップ」を期待している人
「超絶技巧、テクニック」という表面にこだわるならば
期待に外れるので聴かない方がいいだろう。
激動の人生の苦痛、苦悩、
そして直球に向かう激しいエネルギーを持つ人間だとは、
見た目には全く誰も想像しないだろう。
逆に、優しい、ソフトな人柄と外面的に見える彼の風貌。
その180°違う彼の陰影。
それがなければ生まれない曲の数々・・・。
そして40代になって彼が生み出した
「海ぼたる」は東日本大震災で引裂かれた愛のエピソードをもとにできた曲だ。
生まれながらの深く敏感な感受性と、
これまでの経験と深い洞察力があるからこそ表現できえた、
心震える曲となったのではないだろうか。
再度、ソフトな軽い音楽を彼に求めて来ると
その通り期待を裏切られる。と言っておこう。
正直、自分を見つめたい、深い感動を得たい、
人の心に触れたい、魂に触れたいと思わなければ
何かを感じないのではないだろうか・・・・。
2013.01.19 文責 工藤明子
そして、ここに書き記そう。
2015年に作曲したインストゥルメンタル「まほろばの光」は、
間違いなく、後世に遺る名曲となった。
2017.09.15 文責 敦賀 あき (旧姓名 工藤明子)