オトンは成人病のデパートみたいな人で

高血圧、糖尿病、
尿管結石、胆石、痛風

が持病。

しかし、上二つは自覚症状ないですし、
下三つも発作さえなければ無症状。


定年後、糖尿病がガクっと悪化。
経口薬だけではコントロールできず、
インスリンの自己注射になりました。
今思えば、膵がんが始まっていたのかも。

その後、さらに糖尿病がジリジリと悪化。
ちょいちょい便秘もするようになりました。
便秘には縁のない人だったのに。

血便が出て、
病院に行ったら、と勧めても
痔だと言い張って。


ついに、糖尿病性の腎障害が進み、
透析の準備で入院したら、
膵がんと大腸がんが発覚。

どちらもステージⅣで
膵がんは肝臓に転移していました。

闘病生活については
また機会を改めて。


そして、一年ちょっと、自宅から、
通院で治療していたのですが
いよいよ、食べられなくなり
ちょっと食べても吐くようになり
とある日曜日に、
一旦、通院治療していた病院へ
入院することとなりました。

大きな病院だったので、
長期の入院は無理なので、
ある程度落ち着いたら
ホスピスに転院かなー、って話で、

ホスピスが実家から
お見舞いに通いやすい立地にないので、
とりあえず、お見舞いと転院先を探すために
次の週末に実家に帰ることにしました。


金曜日に、横浜で仕事だったのですが、
早めにあがらせてもらって、
新横浜から新幹線に乗り、
実家へ戻りました。

早めにあがったとはいえ、
新幹線で京都までかえったら、
面会時間にはさすがに間に合わず。


翌日の土曜日は午後から
オトンの親友が神戸から
お見舞いに来てくれる予定だので、
午前中に病院に行こうと
オカンと予定していました。


土曜日、朝、起きて、
歯を磨いていると

オカンが私に
「朝ごはん、何食べる~?
  サラダ?パン?」
と話かけてる時に
電話がなりました。

オカンが出たので

「○○さん?」
(=午後からお見舞いにくる予定の人)
と聞くと、

オカン「病院からやった」
私「なんて(言ってた)?」

オカン「脈拍が速くなってます、やて」
私「ヤバイんちゃうん」

オカン「どうなんかなー。でも、もう三回も電話かかってきた。」


ん?

三回って??


唖然・・・


オカン、一回目でわかってくれ。
そんで、一回目で私を起こしてくれ。
アホすぎるにも程がある。


で、歯を磨いただけで、
すぐに病院に向かいました。

病室に行くと、
入口のネームプレートがありません。

すぐに、ナースステーションで
オトンの名前で、家族であることを伝えると
特別室に移ったと、 場所を教えてもらいました。

特別室の病室の引き戸を開けると
主治医の先生が立っていて
さりげなく、とうせんぼになって
中に入れてくれません。

「○時○分でした」とだけ。


処置があるらしいので、
とりあえず、待合室で待つことに。


オカンが、一回目の電話でわかっていたら

オカンが、一回目の電話で
わからないなりにも
私に言ってくれていたら

いや、一回目の電話の音で
私が起きて、オカンに
どこからの電話?って、
聞いていたら


意識はなくとも間に合ったかもしれない

間に合わなかったとしても
仕方がないと思えたかもしれない。


こちらで仕事してる日とかなら
仕方がないと思えたのに。

実家まで戻っていたのに。
病院まで車で20分なのに。

どうにもこうにも
行き場のない怒りが残ります。


息を引き取ったショックよりも、
間に合ったんじゃなかろうか、という
自責の念というか、
オカンを責める気持ちというか。

オカンは、現実を受けとめたくないのか、
ホントに空気を読めないのか、
処置を待っている間中、
「おねえちゃん、朝ごはんどうする?」
とばかり、何度も何度も聞いてきます。

「売店もあるし、食べたくなったら
何か買ってくるから、
お母さんは、私の朝ごはんは
心配しなくていいからっ」

と若干キレ気味でしたが、
オカンをなだめて。

弟が到着するまでは
イライラしてました。


そんな状況だったのですが、
川畑のぶこさんのセミナーでの瞑想で
穏やかな気分で
やっとオトンの死に目と
向かい合うことができました。


それとは別に、
どれだけ私が怒っているか、
オカンには何度か説明を
試みましたが、
結局、済んでしまったことだし
全く通じないので諦めました。


そして、瞑想を通じて、やっと

オトンの死に目に会えなかったことは
私とオトンの問題。
ひいては、それを悔やんでいる
私の問題。

オカンが天然でそれにイラつくのは、
私とオカンの問題。
他人は変えられないので、
オカンの天然にどう対処するかは
私の問題。


少しですが、
分けて考えられるようになりました。


許せないことには変わりがありませんが、
こじれていた問題が
ほどけて、シンプルになり、
とっても、楽になりました。


ちなみに、オカンとは
普段は仲良しですよ。

許せない点もありますが、
それは全てではないので。

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湯島食堂にあった、観音様?マリア様?
なんだかホッとするので
写真に撮りました。