イノゑ皇女天空を仰ぐ時:其の四伊勢の三代斎宮 | 墨呂空の無双芸術劇場

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イノゑ廃皇后の娘

酒人内親王はあの惨劇を知らなかった

 

19才で急に伊勢の斎王にト定されたのだ

父親の白壁王が天皇になったため

分けも判らず数年が過ぎ、身内に穢れが出たとして任を解かれた

帰洛すると母と弟は自死したと言う

しかも、今度は新天皇の元にとして入内せよと・・・・・・

 

 

どういう事なの?

あの優しい母君が、父光仁天皇を誣告なんて・・・

でも、逆らったら私もヤラレル・・・・仕方ないね

宮中は恐ろしい所、命があるだけマシ

父の遺言は酒人内親王を

皇太子位にとの話だったのに

年老いた父天皇の長男に嫁がされた

後の桓武天皇になる山辺皇子に・・・

 

懐柔策か祟りが怖かったのか?

 

桓武天皇は酒人内親王を妃の一人とした

この年上の異父兄から

誰よりも愛されていた気がする

私のどんな我儘も聞いてくれて…なぜ?

 

母君の怨霊が怖いのね

優しい母君が怨霊になっている

そんな事有り得ないのに

 

やがて桓武の皇后藤原乙牟漏

桓武の母渡来人百済氏が急死する

 

我が背王は、藤原式家の兄弟と共犯でイノゑ皇后と弟皇太子を・・・

だから、私の事はまるで腫れ物に触る様に接するのだわ

それなら、好き放題やるまでよ、でも・・・・・・・・

私は母のように腑抜けじゃないわ、コロサレない様にしなきゃ

馬鹿を装うのも一興ね

 

桓武との間に朝原内親王が産まれると

酒人内親王は、とりあえず娘を守る為に

伊勢の斎宮にして欲しいと桓武に懇願する

朝原内親王は天武系最後の血筋である

 

イノゑ廃后、娘、孫娘

三代の斎王になる

【墨呂空】