対話無き日々 ここまでをまとめ読み その17
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のつづきです。
近年は、その前に、山ほどのルールが列記されたエクセルシートが送られてくる。
たくさんのチェック項目があって、それに少しでも合致しないアイデアや技術は
事前に排除される。
開発のパート図を先に作って、各パートで絶対に失敗しないように、厳しいチェックが
行われる。
ここまでのプロセスでは
試作も何も作らない
メールなどで、長い時には数か月間にわたって、ただただ机上で、こういった内容が
やり取りされて、
ようやく開発が始まる
新しい製品やサービスなので、その開発過程では、当然、失敗することも多々あるし、
思うような性能が出ない場合もあろう。
そんなときは、即、開発中止になるか、これまでの製品と大して変わらない、失敗
確率が低い仕様に変更されて、とにかく計画通りに進むようにする。
こういうやり方をしていたら、失敗は少なくなるが、関係者間の対話は必要なくなる。
失敗を過度に恐れると対話が無くなるのである。
本来は、充分な対話を重ねてから詳細を詰めていく必要があるが、近年は、誰も本音を
語らず、ゆるやかに議論してルール内に穏便に収まるようにする。
これで、良い製品、売れる商品を創れるわけがないのである。
2000年くらいまでの日本流開発方式の利点であった“対話”を完全に失い、品質マネジ
メント原理主義に陥ってしまった多くの日本企業。
日本流の開発方式を破壊したのは、ISO9001ではなく、
対話重視型開発主義から
品質マネジメントシステム主義
に安易に変節し、対話重視型開発の利点を捨て去ってしまった原理主義者たちである。
------------- 長屋の対話民主主義余禄 -------------
万造と松吉は顔を見合わせる。
「いよいよ、おれたちが本格的に、腕を振るうときがきたようですぜ」
「何も頼んでいないぞ」
徳兵衛は切り捨てた。それに対して松吉が・・・
「頼まれなくても、やっちまうのが江戸っ子ってもんですから」
畠山健二:本所おけら長屋(二), PHP文芸文庫,2014 より
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3. 主体性を育てない日本の教育
私は、いくつかの大学や専門学校で、音響学や音声学、聴覚心理学などの講義をやら
せて頂いている。
だから学生たちとも接しているし、大学教授をはじめとするたくさんの教職員の方々
とも交流がある。
技術経営学の学位を持っているせいか、学校経営、学校運営に関する相談をもちかけ
られることも多い。
そんな経験から、10年くらい前からだと思うが、日本の学生たちの気質が大きく変わ
ったと感じている。
時代の変化とともに学生気質が変わるというのは、いつの時代でも当たり前のことである。
少なくとも今の学生たちは、私が学生だった30~40年前の学生と比べたら、とても
真面目で良い子が多いので、変化自体が悪いことだとは決して思わない。
ただし、以前にも述べたように、現代日本の学生たちの特徴として、
①他者との競争を嫌う
②物事を自分で決めることを嫌う
③目立つことを嫌う
などが挙げられており、これらは良くない変化だと思われる。
さらに私は、ここに、
④間違えることを異様に恐れる
を加えたい。
つづく-> ~間違いを書くくらいなら空欄の方が良い~ 対話無き日々
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