何も知らない子供の頃の私は、戦争映画や西部劇のドンパチが好きだった。

だから、この映画を見ていて、ワクワクしたシーンが頭に残っている。

 

政府軍に苦戦しているヴィラと飛行気乗りのアーノルドが出会う。

何のやりとりがあったか忘れたが、ヴィラがアーノルドに向かって言う。

「この複葉機を使えば、やつら(政府軍)に勝てるぞ。」

何度かアーノルドは抵抗するが結局ヴィラに押し切られる。

 

ヴィラ   「複葉機でやつらの上に飛んでくれ。」

アーノルド 「それで、どうするんだ。」

ヴィラ   「こいつ(ダイナマイト)を落としてドカーン! とやる。」

アーノルド 「無理だ。風圧が強くて火はつけられないぞ。」

ヴィラ   「葉巻に火を付けてくわえていけばいいさ。」

アーノルド 「やっぱり無理だって。操縦しながらそんなことできない。」

ヴィラ   「後ろの席にフィエロが乗るから、お前は操縦だけやりゃいい。」

アーノルド 「無茶苦茶だ! やっぱり俺の飛行機をそんな事に使いたくない!」

ヴィラ   「お前の力が必要なんだよ。頼んだぞ!」

アーノルド 「・・・」

 

文句を言いながらもなぜか、ヴィラに言われた通りにアーノルドは

飛行機を操縦する。

 

飛行機なんか見たことも無い政府軍の兵士。

正に奇襲戦法とでもいうのか。

政府軍の陣地の上を飛ぶ飛行機からフィエロがダイナマイト落として吹っ飛ばし、

戦いはヴィラの革命軍が勝利となる。

そして、その後も同じ手口で勝利を重ねていく。

子供の頃の私は革命軍が正義の味方で政府軍が悪役として見ていた。

だから勝ち進む革命軍を見ていて楽しかったのだ。

 

ラテンのノリなのか、ヴィラの人間性なのか。

人の心を制覇するヴィラが政府軍をも制覇していく。

私はここが見ていてとても面白いと思った。