MOTHER マザー【映画レビュー】~濁った目の長澤まさみ最高 | おたるつ

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ってわけで、おたくのるつぼ。略しておたるつ

推しがアメブロを辞めても私はアメブロを辞めません!

 

というわけで、これから何を主軸に生きていこうかなあとぼんやり考えつつ、お誘いいただきまして話題の作品を見てまいりました。

久々にブログ書くので正直、書き方忘れてます。

 

【MOTHER マザー】

監督:大森立嗣 脚本:大森立嗣 港岳彦
企画:河村光庸

キャスト:長澤まさみ=三隅秋子、奥平大兼=周平(少年期)
阿部サダヲ=川田遼

 

〈ストーリー〉

男と行きずりの関係を持ち、金にだらしないシングルマザーの秋子は、息子の周平を従わせて自堕落な放浪生活を送る。

家族や社会から孤立していきまがらも母に応えようとする周平に、やがて秋子は実の祖父母の殺人を命じる。

実際の事件をモデルにした、親子の歪んだ関係を描く。

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ざっくりというと、「誰も知らない」「万引き家族」など、家族という狭く特殊なコミュニティで救いがない、是枝監督が得意の、あの味の映画です。これは大森監督ですけど。

胸くそも悪いし、共感もできないし、全然明日から頑張ろうという気分になれない映画です。

 

でも、何年かに1回、この味欲しくなるんだよね、っていうアレです。

ハアアア、、、、胸くそ悪ゥゥゥ~~~~~最高! ってなるための映画です。

 

今作、なんといっても長澤まさみのダメな中年女がいいんですよ。

もう登場瞬殺で心を奪われますよ。

まだ小学生の周平がひざ小僧から血を流しながらうつむき加減に歩いている。

自転車でやってきて周平を呼び止め、そのひざ小僧に気づき、

ベロンと舐める。

 

あのファーストシーンが素晴らしい。

ラストの「舐めるように育ててきたの」(曖昧)というセリフが出てきた時、鮮明にフラッシュバックします。

土と血のついたひざ小僧をなんの躊躇もなくベロンと舐めるあのシーンは、秋子の奇妙な愛情の傾け方と人格を見事に表現していて鮮烈で忘れがたい。

 

続くプールのシーン。これがまた素晴らしい。

長澤まさみ水着で登場!

なのだが、なんともいえないダルい肉付きとダセエオバ水着が、おれたちの長澤まさみをぶち壊す。

完全に長澤まさみ見てること忘れます。これは秋子だ。

 

息子の周平を演じている奥平大兼くん、最近もろもろの雑誌などで名前を見るので気になっていました。

たたずまいがよかった。

なんというか、彼の周りだけ磁場が狂っているかのうような、バリアの向こうでエネルギーが渦巻いている感じに惹きつけられますね。

柳楽優弥くんが出てきた時と同じ味がする。

 

秋子の恋人として登場するホストのリョウ、これは阿部サダヲが大正解だったのか…??

彼、いろいろとヒドイことするんですけど、肝が小さいだけで結構いい男捕まえたと思うんですけど。

 

ストーリーはリョウは真面目に働き始めるとか、福祉の網に引っかかるとか、周平が就職するとか、

一般的に良いのでは、という方向に進んでは秋子の気が変わってダメになる、というのを繰り返し。

もういい加減にして!ってなります。

その繰り返し。胸くそ悪いです。

 

でもね、もっと胸くそ悪くなったんじゃないの、という感想でして。

殺人事件に向かうまでの追い込まれ方、人を殺すほど追い詰められているように感じなかった。

周平は本当に秋子が大好きで、その行き着く先が祖父母を殺すという展開なんですが

そこにはおそらく、子供じゃなくなっていく不安みたいなものがあったと思うんです。

成長するにつれ、母をひとりの人間として認識できるようになりつつ、イコール子供として愛情を受けられなくなるのではないかという葛藤があったんじゃないかなと思うんです。

ラストの秋子の濁った目で空を見つめるカットが最高なんですけど、親子が“親と子”になる距離感への絶望が、周平の愛情への恐れありきだと思うので、もっと胸くそ悪いとこまで追い込んでほしかったなと思いました。

 

これは監督の意図なのか、抱いてしまう願いなのか、ラストは希望がないわけじゃなかった。

希望があったんだけど、こう、もっと、いやでも!!! みたいなどうしようもない気持ちになりたかった。

 

もっと葛藤を残してほしかったという欲から、この味付けなら是枝監督でええわ、と思ってしまった。

この手の味付けだけど、この味は初めて! みたいなのが欲しかったなあ。

でも、長澤まさみはじめ役者陣はゾクゾクさせるし、定期的に見たくなるジャンルの映画だと思うので、十二分以上にオススメです。

 

余談ですが、後半から秋子が羽織っているモスグリーンのカーディガン。

私が最近、職場のエアコン対策でヘビロテしているのとめちゃくちゃ似てました。

こんなふうに見えるのか、、、着るのやめよかな、、、

着ますけど。