今回紹介する記事は
2021年8月4日付けの
     
「毎日道新聞」の記事です。
      
【蓑田胸喜的なるもの】

 



というタイトルで、
専門編集員古賀攻が、
言論活動に伴う節度やつつしみが摩滅してることに関して、
紹介しております。

いつもどおり、
「4つ」の視点でこの記事を見ていきます。
 
(4つの視点についてはこちらをご覧ください)

  ☆新聞記事の紹介について

(発信者が重視するテーマに関してはこちらをご覧ください)

始めに読んでほしいブログについて


(1)内容の要約

 戦前の日本に、
蓑田胸喜という超過激な国粋主義者がいた。

 今では名前を目にすることも少ないが、
昭和初期の言論弾圧を代表する「滝川事件」の黒幕と言えば、
イメージしやすい。

京都帝大教授を文部省が不当に処分し、
事実上追放したこの事件で、
「赤化教授」と決めつけて政界を動かしたのが蓑田だ。

 明治中期に熊本県で生まれた。

東京帝大を出て慶応大予科の教員時代に、
極右雑誌「原理日本」を創刊。

1938年には政治家をバックに
「帝大粛清期成同盟」
を作り、
「反日」学者の糾弾活動をエスカレートさせている。

 今春亡くなった立花隆さんは、
著書「天皇と東大」の中で、
蓑田をこう記している。

「一時的異常なほどのパワーをもって、
日本の言論・思想界をウラから支配した男として、、
畏怖され、
嫌悪され、
憎まれた男である」
と。

 とにかくその主張は、
カルト化した教義に近い。

「日本国民にとって日本は宇宙である」
などと神がかった言質を振りかざしながら、
気に喰わない学者たちの片言隻句をつかまえては、
「不忠反逆」
「容共」
のレッテルを貼る。

 社会学者の竹内洋さんは、
蓑田の精神を
「マイノリティー意識と被害者意識のなかで、
より先鋭化した」
と分析する(「丸山眞男の時代」)。

確かに知識人層の主流からは外れていた。

それでも異端の男が怪力を発揮できたところに、
時代の持つ怖さがある。

 「反日」とか「親中」「亡国」とラベリングすることで、
相手を排撃する活動は、
残念ながら今も続いている。

LGBT理解増進法案などに対する右派の強い拒絶反応を取り上げたが、
その主要な舞台となっている雑誌「Hanada」や「WiLL」は、
見出しだけでもすごい。

 「稲田朋美が左翼の餌食となった動かぬ証拠」

「尾身茂亡国論」

「尾崎治夫の『破壊洗脳活動』」

「学術会議を『国家反逆罪』に問え」…。

 民主主義は自由な批判活動なくしては成り立たない。

しかし、
批判のレベルを超えて、
価値観の違う者は追い払わないと気が済まないという情念だ。

主張を異にするメディアを「マスゴミ」と口汚くののしる新聞コラムもある。
 右派の安倍晋三時代に、
「わが世の春」
を謳歌した人たちの間で、
言論活動に伴う節度やつつしみが摩滅しているのではないか。

蓑田は敗戦直後、
郷里で失意の自死を遂げたが、
蓑田的なるものは残っている。


(2)なぜこの記事を切り抜いたか    

蓑田的なものが蔓延る国JAPANに関して、
紹介した記事のため。


(3)自分はどう思うか?

戦前の日本において、
インターネットなどが無くても、
国粋主義という名のネトウヨもどきが存在していた。

滝川事件の黒幕、
蓑田胸喜。

滝川事件は習った覚えがないのだが、
この者の名は日本史の授業では習った覚えがない。

やっていることは、
まさに昭和版ネトウヨである。

民主主義は自由な批判活動なくしては成り立たない。

しかし、
ネトウヨ雑誌の見出し軍が醸すテイストは、
度を越えている。

自分達の主張に相反するものは人にあらず。

安倍晋三が表舞台から去っても、
裏でコソコソ安倍派なる反知性集団を結成したことで、
また声高に喚き出すのだろう。

蓑田なるものは、
面倒であっても、
いちいち叩き潰す必要がある。

放っておけばウイルスの如く、
蔓延するためである。


(4)今後、どうするか?

・蓑田胸喜という人物を忘れない。

・排撃する活動に抵抗を試みる。

・蓑田的なるものの言うことに耳を傾けない。


今回も自分の勉強がてら、
まとめてみました。

衆院選が終わり、
右派もどきが声高に騒ぎだし始めました。

黙って許しておけば、
社会が腐っていきます。


皆さんも、
蓑田胸喜的なるものと決別対峙して下さい。

価値観の違う者は追い払わないと気が済まない信念は、
民主主義と似て非なるものです。

識別する五感を自分なりに鍛えて下さい。