<ゴミ処理>(1)入居者が後始末をしなければならないのか・・ #賃貸借契約問題  Vol.30 |  NPO法人日本住宅性能検査協会 建築・不動産ADR総合研究所(AAI)

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#賃貸借契約問題   Q&A Vol.30(第352号)

 

<ゴミ処理>(1)

(質問)

ゴミの回収ルールを守らない入居者がおり、いつもゴミ回収場所がゴミで散乱してしまう。
近隣からも苦情が来るので、家主に苦情を申し立てたところ、
家主は、「ゴミ回収は入居者同士で話し合って解決してほしい」と言って取り合ってくれない。
今は、入居者の有志で後始末をしているが、何とかならないものか

(回答)

家主の考え方が間違っていると思います。分譲物件と勘違いしているのでしょう。

分譲マンションなどでは、それぞれの入居者自身がオーナーであり
管理責任者ですので、入居者同士が話し合って解決するしかありません。
そのために管理組合を結成するのです。

しかし、賃貸物件においては、それぞれの入居者はオーナーではありません。
管理責任も自分が借りている部分のみです。

ゴミ回収場所のような共用部分については、その管理は、管理責任者である家主自身が行うべきなのです。
便宜上、入居者が共同管理しているような場合にも、それは自主的なものであり、管理責任は、あくまで家主にあるのです。

家主は、家賃という対価を得て、他人に物件を貸している以上、
入居者に使用収益させる義務があるのです。
ゴミの回収を入居者にきちんと行わせ、ゴミの散乱を防止し、それでもゴミが散乱して誰も後始末をしないような場合には、家主がきちんと後始末をしなければならないのです。

そこで、入居者の連名で、家主に対して、「家主には、入居者に対して使用収益させる義務があると同時に、共用場所をきちんと維持する義務があるので、ゴミが散乱している場合には、家主自身の責任で解決に当たってほしい」と言ってください。

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