りひとside
好き、好き…、好きだ…、、
脳に埋め尽くしてく、好きの言葉…
頭の中がふわふわして思考停止だ
俺は、多分、世界一間抜けな顔をしてるに
違いない…
返事を伝えることは告白と同じで
めちゃくちゃ緊張するけど伝えたいんだ
「お、お、…
あぁ、言葉にすら出来ない…
「お?」
さすがに怪訝な顔をしてる。
伝えたい言葉は決まってるのに…
いや、ひろむくんの「好きだ」は本気なのか?
人としての好きの好き?
あれ?
瞬間にユリちゃんの宣戦布告の文字が頭に浮かんだ
負けられない、絶対に。
「俺も好きだ」
ひろむくんは驚いたような顔をしたけど
恥ずかしそうに笑った
笑った顔が可愛くて俺はただ見つめてしまう
ヤバい…、抱きしめたい。
ドンドンッ
振り向いたら、カフェのガラスに
尾崎と尾崎の彼女が笑っていた。あれ、補習じゃなかった?後で聞いたら、教室を飛び出したひろむくんを心配して追いかけたらしい。
ホント、いい奴らだ。
ガラスの向こうで尾崎が世界水泳のライブチケットを見せた。最高の笑顔でガッツポーズする尾崎を みて嬉しくなった。
ただ、補習科目が増えたらしい。
俺らはカフェに戻って、テーブルに手紙を置いた。
「あのさ、りなちゃんが東京に行った時に手紙を預かってきたんだ」
「え?」
「ユリちゃんから…」
ひろむへ
と書いた特徴的な字をひろむくんは
じっと見つめていた、
懐かしそうな顔をして、ゆっくりと手紙を開けた
何て書いてあるんだろう…
気になるけど、なんだか、ひろむくんの顔を見るのが怖かった。
ユリちゃんからもう一度やり直そ♡とかさ、
マジで自信なくなりそうだ…
はぁ…
「先輩からさ、理人に宣戦布告しちゃったって
何?」
「え、ああ、、まぁ、俺が勝ったかな」
だよな、うん。
「そうなんだ?先輩がライブ終わりに結果発表してって」
け、結果発表って何?
ひろむくんと2人で、交際宣言するとか?
やっぱり、ユリちゃんは一筋縄ではいかない…