2019年、阪神ドラフト。     押川(スポーツ) | 押川雲太朗の万事いいかげん

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2019年のプロ野球でのドラフト会議が行われ、

阪神は1位から5位まで、甲子園出場の高校生を指名しました。

 

久しぶりにわくわくしました。

 

多くのタイガースファンが同じ気持ちだったことでしょう。

 

若い選手たちが成長し、活躍する未来を想像すると

「楽しい気分になるな」と言われても無理です。

 

しかし、次の瞬間思いました。

 

「来年の補強は本当に大丈夫なのだろうか。」

 

 

去年のドラフトでは暗い気持ちだったことを思い出します。

 

育成を含めた7人中5人が社会人と独立リーグ。

 

高校でも大学でもドラフトにかからなかった選手たちです。

 

彼らは即戦力として取っているのですが、

本当にその実力はあるのか。

 

年齢的に言って、

将来の四番やエースといった夢は持てません。

 

「すぐ使えなければ、クビにするしかないんだぞ。

こんなその場しのぎのドラフトでいいのか。」

どうしてもそう思ってしまいます。

 

ところが、その中から近本、木浪の二人が一軍に定着しました。

 

前言は彼ら二人にとって失礼な発言でした。

 

彼らがいなければ今年のタイガースはどうなっていたことか。

 

そういう意味で、2018年のドラフトは成功だったと言えるでしょう。

 

しかし、それでも去年のドラフトの直後

暗い気持ちだったことは事実です。

 

今年の高揚感は2012年のドラフト以来です。

 

1位は藤浪を引き当て、2位で北條をとりました。

 

「この二人が甲子園で活躍するとき、タイガースに黄金時代がやってくる。」

そう思ったものでした。

 

ところが今、藤浪は二軍調整中。

 

北條はショートのレギュラーを取れずにいます。

 

変わりにショートを守るのが、

高校、大学でチョイスされず社会人を経験してタイガースに入った

同級生の木浪であるというのは皮肉です。

 

もちろん私は、今も彼らに期待しています。

 

藤浪にはエースとしてマウンドに戻ってきてもらいたいし、

北條にはホームランを量産するようなバッターになってもらいたいと思っています。

 

ただ、高校生を指名するという事は

不確定要素が大きいというのも事実だという事が言いたいのです。

 

また高校生がレギュラーに定着するためには、

うまく育っても3,4年かかります。

 

十分な戦力があれば待つことも出来るでしょう。

 

今のタイガースは果たして十分と言えるのでしょうか。

 

私は今年のドラフトに大賛成です。

 

毎年こういうドラフトをやってもらいたいと思っています。

 

ただし、来年の補強は大丈夫なのかと思ってしまいます。

 

チームの成績を決める最も大きな要因は

選手の努力でも監督の采配でもありません。

 

編成。

 

結局、どれだけ戦力を持っているかなのです。

 

ドラフト会議の終盤、育成ドラフトが行われます。

 

各球団が選択終了となった後、

いつもソフトバンクと巨人が多くの選手を指名するのを

私は苦々しく見ています。

 

なぜ彼らがそれほど選手を必要とするのか。

 

それは、三軍制をしいているからです。

 

多くの選手を保有し、その中から勝ち残ったもので戦えば

チームが強くなるのは当然のことです。

 

またこの2球団は外国人も余剰に抱えています。

 

調子の悪くなった助っ人を入れ替えるためです。

 

そこにも淘汰されたものだけを使うという競争原理が働いています。

 

良い選手がいない、良い外国人がいないのを

スカウトや編成部長のせいにしていませんか。

 

選手が良い働きをするのかなどということは

どんな目利きでも使ってみるまでわからないのです。

 

それを補うシステムを採用せず、

個人の能力だけで勝とうとする考え方は

戦略として劣っていると言わざるを得ません。

 

「阪神は、来期外国人の打者を取るため

ドリスとは契約しないかもしれない。」

などという憶測が聞こえてきます。

 

なぜドリスほどの実績のあるピッチャーが

そんな話になるのでしょうか。

 

契約すればいいじゃないですか。

 

それどころか、常に二軍に外国人が3,4人いても

良いのではないでしょうか。

 

もちろん、私は球団の内情を知りません。

 

だから、外国人を余剰に抱える事や

三軍制がどれだけ困難なことなのかはわかりません。

 

ただ、巨人やソフトバンクに勝てない理由だけはわかっています。