ビーンボールは怖いよ       (スポーツ)  押川 | 押川雲太朗の万事いいかげん

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漫画家 押川雲太朗のブログ。日々の何でもない事や、たまに仕事の告知など、書いていきます


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雲プロには、飛び込みの営業の人がよく来ます。

 

事務所の設備に関する売り込みもありますが、

やはり先物取引などの金融関係が多いです。

 

ニッセイレディもよく来ます。

 

「私は保険はやらない。」とハッキリ言ってあるのですが、

そこで引き下がるようでは彼女たちは仕事になりません。

 

忘れた頃にやってきては、

パンフレットやカレンダーなどを置いていきます。

 

その時少しは話をします。

 

仲良くなって保険に入ってもらうのが彼女たちの作戦です。

 

無下に断るのも大人げないので

少しは付き合います。

 

今年の春、何度か来ているニッセイレディが

またやって来ました。

 

それでプロ野球開幕の話になりました。

 

彼女はヤクルトファンで、

私がタイガースファンであることも知っています。

 

「開幕しましたね。阪神調子いいじゃないですか。」

とニッセイレディ。

 

「そんなことないですよ。ヤクルトの方こそ。」

と私。

 

「そういえば、今日からヤクルト阪神ですね。」

とニッセイレディ。

 

「ああ、そうですね。でもヤクルト強いからな。」

と私。

 

するとニッセイレディは

「でもデッドボールだけはやめてくださいね。」

と言いました。

 

そう言われて私はぽかーんとなってしまいました。

 

私はタイガースではないし、

関係者でもありません。

 

そんなことを言われてもどう答えていいのやら…。

 

対応できずに黙っていると、

「それではまた。」

とニッセイレディは帰って行きました。

 

確かに近年、阪神とヤクルトとでは、

デッドボールをめぐって揉めることがよくあります。

 

デッドボールに関しては、

ピッチャーが狙っているビーンボールなのか、

すっぽ抜けただけなのかという問題があります。

 

打者は「狙われた。」という発言をたまにしますが、

投手は「絶対ない。」と言います。

 

本当のところは当事者(ピッチャー)にしかわかりません。

 

ただ、内角球を踏み込んで打つバッターは

当たりやすいという事実はあります。

 

投手の気持ちを考えてみます。

 

投手にとって、外角低めは

バットの芯が届かない安全な球です。

 

しかし、踏み込まれると

届いてしまいます。

 

あまり打たれてばかりだとクビです。

 

だから内角を突くのです。

 

その時甘いコースに行くと

長打を打たれるので

当たってもいいというぐらいの気持ちで

厳しいコースを突きます。

 

ただし「当たってもいい」であって、

「当ててやる」ではありません。

 

打者の気持ちを考えてみましょう。

 

そのぐらいのことは打者もわかっています。

 

しかし、打者も外郭が打てなければクビです。

 

踏み込まなければならないのです。

 

ただし、打ち所が悪いと

死ぬかも知れないという恐怖があります。

 

打ち所が悪いというのは、

頭のことです。

 

コントロールされた内角球は、

普通ヒジやヒザに当たります。

 

そういうデッドボールは軽傷ですみますが、

本当に危ないのは

打者が踏み込んだときに

ピッチャーが投げる球がすっぽ抜けた時です。

 

すっぽ抜けた球は

高めに行きます。
 
頭に行きやすいのです。
 
それが藤浪のような豪球ピッチャーならばもっと恐ろしい。
 
踏み込んで避けれない状態で
150km以上の球が頭に飛んでくるのですから。
 
しかも藤浪の場合、外角低めに投げようとしている場面で
打者もそれを読んでいる場面で
打者が踏み込んだときに頭にくるから
さらにタチが悪いのです。
 
藤浪が狙っていないことは
打者もわかっていると思います。
 
ただ、死にそうになったとき、
それが偶然の出来事であっても
何かに文句を言いたくなるのは当然のことです。
 
しかしこれはどうすることもできない問題です。
 
すっぽ抜けの多いピッチャーを追放するわけにも行きませんし、
バッターも踏み込まなければ飯が食えません。
 
当てた方も当てられた方も
「しょうがないことだ。」と
納得するしかない問題であると思います。
 
 
ところでなんですが、
ついでにニッセイレディの気持ちも読んでみましょう。
 
タイガースファンである私に
「デッドボールはやめてくださいね。」と言えば、
嬉しいはずはありません。
 
彼女もプロです。
 
そういうことには人一倍気を使っているはずです。
 
何度訪問しても、保険に興味を示さない私に対して
ちょっとビーンボールを投げてみたくなったのかもしれません。
 

「危険球退場でもう登板してこないだろうな。」と

私は思いました。
 
ただしニッセイは別の刺客を送り込んでくるでしょう。
 
会社にとって彼女の気持ちなんて
考慮に値するものではありませんから。