公民館の主事さんに煽られ煽られ
読み続ける紀玉オバサンである
(※去年の年末までに読んだ本)
❶『ラブカは静かに弓を持つ』 阿壇美緒著 集英社
少年時代、チェロ教室の帰りにある事件に遭遇し、以来、深海の悪夢に苛まれながら生きてきた橘。
ある日、上司の塩坪から呼び出され、音楽教室への潜入調査を命じられる。
目的は著作権法の演奏権を侵害している証拠をつかむこと。
橘は身分を偽り、チェロ講師・浅葉のもとに通い始める。
師と仲間との出会いが、奏でる歓びが、橘の凍っていた心を溶かしだすが、法廷に立つ時間が迫り……
※緑太字は集英社さんのページからコピペ
読み始めてすぐにのめり込めます
そして、なぜかチェロを習いたくなる、
…、て、私だけか
チェロの音色、て、いいですよね
あの、音の低さが他を邪魔しない、て感じ、
それに弦楽器は、持っていて「おしゃれ」、て
偏見か
主人公の橘は、仕事の任務として
音楽教室にスパイとして潜り込むのだが、
個人レッスンの講師が天真爛漫で
素のままの橘として対応してしまってる、
それはそれでいいのだが、
後々、任務として隠れて録音したことが
自分の気持ちのダメージとして
重くのしかかる、
仕事なのだから仕方ない、といえば
そうなのだが、人として、それは
やってはいけないこと、と思う狭間の物語、
世の中の矛盾を描いた作品かな
❷『宙(そら)ごはん』 町田そのこ著 小学館
複雑な家族関係の中で、
宙(そら)は成長していくのだが、
その時々で、佐伯の料理に救われる、
そして、宙(そら)は、佐伯から料理を学び
自分でも出来るようになる、
この物語のラストの方で、
伏線となっていたものが突然顕わになるのだが、
犯罪や事故の「加害者」の家族、または本人の
過酷な人生に胸が痛む、
だいぶ前に読んだ東野圭吾先生の「手紙」も
そうだが、犯罪加害者の家族は
どう生きたらいいのか、
どう生きられるのか、
考えさせられるテーマかと思った、
紀玉