茨城空港のこと | 徹通塾・芝田晴彦のブログ

徹通塾・芝田晴彦のブログ

民族自決 戦後体制打破
基地問題を考える愛国者連絡会 / 自由アジア連帯東京会議

昨年の9月9日早朝、千葉市に上陸した台風15号(令和元年房総半島台風)は主に千葉県内に甚大な被害を及ぼし、「わが国の空の玄関口」である成田国際空港も大混乱となった。私はタクシー運転手の仕事をしていて、たまたま台風上陸の翌日に成田に向かった。詳細は以下連続ツイート参照。
https://twitter.com/oscarexpress/status/1171156481602752512

台風直後も飛行機は次々に成田に飛来してお客を降ろす。しかし京成電鉄もJRも動かず、リムジンバスも運休。「出口」の無くなったターミナルは人で膨れ上がり、空港内のコンビニや売店からは次々と食料や飲み物が消えた。「わが国の空の玄関口」が陸の孤島になってしまったのだ。

フツウに考えれば、成田が非常事態ともなれば周辺の他の空港を使えばいいだろう。しかし後日談によると当日、成田国際空港会社は国交省からの着陸制限の提案を拒否しらしい。結果、一万三千人もの人達が空港で夜を明かし、翌日はタクシーの争奪戦が夜中まで繰り広げられた。

着陸制限となると、代替となる近隣の空港がどうなのかということなのだが、隣接する羽田空港は飽和状態で厳しい。一方、東京圏同様、大勢の国際線が行き交う関西はといえば『伊丹空港』『関西空港』『マリンエア』…俗に云う『関西三空港』体制だ。ところがわが国の首都圏はもっぱら『羽田』『成田』のニ空港のみである。これでいい筈は無い。そこで成田から60kmほど北にある、なかなか話題にすら上がらない茨城空港を先日見学してきた。





茨城空港。昨今は地元議会から「東京北空港」に改名する案が出されて小さなニュースとなったが、現在のところ正式な名称は航空自衛隊・百里飛行場である。つまり軍民共用。近年の国際線の旅客者数増加を見越して、波動需要やLCC等の利用を想定したセカンダリー空港(成田や羽田といった基幹空港に対する補完空港)として平成22年から茨城空港としての営業を開始した。


空港へのアプローチ。


空港周辺で商業施設を探したが、これしか見当たらなかった。関東では珍しいセイコーマート。


茨城空港ターミナルビル外観。




空港から東京行きバスの案内。かつては定期便があったが「利用客が少ない」とのことで予約制になってしまったようだ。因みに茨城空港、鉄道の最寄り駅は常磐線石岡駅。そこまでのバス便はある。


一方で茨城空港のウリ。フツウに使うのなら駐車場はなんと無料。羽田だと三日止めると五千円近く(通常期)徴収される。北関東自動車道や東関東自動車道、更には常磐道の新たなインター等が整備されたので自家用車があるなら使い勝手がいいと思う。


空港ターミナルの方角から。管制塔は茨城空港では無く、自衛隊と共用する滑走路を挟んだ百里基地の方にあって、航空自衛隊の百里管制隊の隊員達が民航機を含めた管制業務を行っている。(写真は一部修正しています)


ロビー。小さい空港なのでチェックインから搭乗までが超近♪ 検査所過ぎたらもう待合室だね。


一応、いろいろな商業施設も入居している。


自衛隊との共用空港のために離発着は1時間に1本との取り決めがあるらしいが、わが国屈指の賑わいを見せる沖縄の那覇空港も実は軍民共用である。現状は『スカイマーク空港』の状態だが、需要が高まればそのあたりは何とかなるだろう。


国際線も就航している。中国と台湾、そして昨年のアレで今は中断しているが韓国の航空会社からの便も。但し今は新型コロナの影響を受けて3月21日現在運休中。


茨城といえば『ガルパン』。スカイマークのタラップ車。




滑走路を挟んだ側は百里基地。こちらも見学してきた。



都内に住む身にとって、羽田空港と比べて成田は遠い。茨城空港なら尚のこと。が、クルマでのアクセスや小さな空港故のメリットを考えると行先は限定されるが、もっと積極的に利用されてもいいだろう。あと、昨年のような台風のあった時のセカンダリー空港としての役割を、ここ茨城空港のみで引き受けるのには現状改善点も多い。ところが都内には未だ民間機用として使われていない立派な滑走路がある。米軍横田基地だ。


『関西三空港』の一つ伊丹空港も米軍から取り返したものだ。(写真は占領されていた当時の伊丹空港へのアプローチ。ウキペより拝借)

近年、気候変動の影響で大型台風直撃のリスクは高まる一方だ。昨年の「成田=陸の孤島」の如き状況を再発させぬ為にも、『羽田』『成田』首都圏二基幹空港に加え、茨城空港の活用と合わせて横田基地の軍民共用化並びに『横田空域の返還』を声を大にして訴えていきたい。