国宝 唐獅子図屏風@三の丸尚蔵館 | 死ぬまでにすべての国宝を肉眼で見る

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2024年9月現在の国宝の総数1,143件。そのうち、美術工芸品912件。これをすべて肉眼で見ようという計画です。関西中心の情報をお届けします。

その第四期「皇室の名宝」のレポートをお送りしています(^_^)
これまで、2回レポートしました。


レポートの最後を飾るのは、国宝 唐獅子図屏風です。

それでは、レポートします。




・国宝 唐獅子図屏風より
  右隻(狩野永徳筆)
  附:左隻(狩野常信筆)

右隻 狩野永徳作 桃山時代(16世紀)の作。
附:左隻 狩野常信作 江戸時代(17世紀)の作。

右隻と左隻、同時に展示されることがあまりないので、見ておいて損は無いですよ。
左右それぞれ見ていきましょう。


右隻(狩野永徳筆)

信長、秀吉、家康たちが天下を取り、豪華絢爛を競い合っていた桃山時代。
四代目として、狩野派がノリにノッていた頃、その狩野派を率いていたのが、狩野永徳です。
↑どうですか?武将好みのこの迫力!
天下を治めた武将が、その地位を見せつけるために威圧的に描かせたのでしょう。
伊藤若冲の"リアル"とは、真逆ですね~
"つがい"の獅子を、描いています。左が雄で右が雌でしょう。
↑迫力がありながらも、仲睦まじく見えますね❤
↑たてがみのグルグルや、
↑体のまだら模様、
↑尻尾のデフォルメ具合は、奇抜さも感じさせます。

ちなみに、右下にあるサインは、
↑狩野探幽による「紙中極め」。探幽が「この絵は、狩野永徳が描いたもので間違いない!」証明してる訳です。



右隻と左隻の繋がり具合は、こんな感じ……↓
↑雲☁や崖に繋がりを持たせた描き方がされていますね。


附:左隻(狩野常信筆)

↑左隻は、永徳のひ孫 狩野常信が描いています。偉大なヒィ爺ちゃんをリスペクトしつつ、描いていますよ。

右隻が夫婦の獅子なら、この左隻はその子供でしょうか?
↑父さん母さんのもとに、駆け寄る感じが出てます。心なしか、無邪気な笑顔……(^_^)

↑駆け寄ってる感、出てるでしょ。

↑細かく見ると、たてがみのグルグルや、指先の描き方が異なりますね。
↑こっちは、永徳の方の、獅子の指先です。

全体的なトーンを永徳の右隻に寄せているものの、徳川の平和な治世に描かれているので、右隻に比べ軽やかさがありますね。

同時展示が少ないのは、やはりビッグネームの狩野永徳(ヒィ爺さん)に比べて、狩野常信(ひ孫)は見劣りするんでしょうかね〜
でも、屏風なんだから左右合わせて鑑賞すべきかと思います(^o^)/



レポートは、以上です。


残念ながら会期終了時点まで、予約がいっぱいのようです。


三の丸尚蔵館は、国宝を沢山保有しているので、今後も展示してくれることを期待します!