人はどんなに苦しいときがあったとしても、心の支えがあれば耐えて生きていくことができるものだ。

 

物語でも、それが諦めずに立ち続ける理由となり、人々の感動を呼ぶ。

 

今も昔も、その支えとなるものは「愛」が最も大きいものだろう。

 

だけど、最近は少しその色が変わっていると思う。

 

昔だったら、その「愛」は恋人だったり、家族だったりしただろう。

 

でも今は、その愛の対象が「推し」になっている人も多いだろう。

 

誰かのために、自分のお金や時間を捧げる。

「推し」が喜んでくれることこそ自分の喜び。

 

推しに少しでも近づきたいと思って、推しに少しでも認められようと思って活動しているわけだが、

 

この世界で最も推さなければいけないのは、アイドルでもなければ、スポーツ選手でも、ユーチューバーでもない。

 

「自分自身」だ。

 

自分を一番リスペクトして、自分を一番推さないといけないのだ。

 

もしかしたら、推し活をやっている人の中には、

 

自分をリスペクトできないから、代わりに誰かをリスペクトして、

 

自分にはできない何かをしている他人を推して、初めて自分で自分を認めることができる。

 

みたいな、心持ちでやっている人もいるのかもしれない。

 

自分を推そう。世界中で一番、自分が自分のファンになろう。

 

もし、自分を推すとしたら、何をするだろうか?

 

どんな言葉を掛けてあげるだろうか?

 

他人を応援することは、尊い行為だ。

それに異論はない。

 

だけど、まずは自分を大切にすることが先にある。

自分のことをほったらかしにしてまで、推せるような対象はこの世界にはどこにもいない。

 

よく推し活において言われている言葉がある。

 

推しは推せるときに推せ、だ。

 

推し活において、ためらうことで後で悔むようなことになることだけは避けようという戒めである。

 

自分に対してもそうだ。

自分への推しは毎日しても何も問題無い。

むしろ毎日しないといけないくらいだろう。

 

自分を推そう。

自分以上に自分のことを推せる人間なんて、世界中のどこにもいないのだから。