明日、君がいない | 元レンタルビデオ屋店長の映画感想

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明日、君がいない
2時37分、そのとき孤独が世界を満たす。

さわやかな風が吹き抜け、生徒たちの声でにぎやかな教室、廊下、グラウンド。あるハイスクールの見慣れた朝の光景に、今日もいつもと変わらない平凡な1日を過ごすかに見えた6人の高校生たち。しかし、時間の経過とともに彼ら一人ひとりが悩みや問題を抱え、誰にも言えないまま押し潰されそうになっている現実が次第に明らかになっていく。そして、やがて午後2時37分ちょうどに起こる悲劇。はたして自ら命を絶とうとしたのは誰なのか、そしてその理由は何だったのか…。

友人を失った後に自らも自殺を図ったという壮絶な実経験を基に、弱冠19歳で本作を手がけたのは、オーストラリアの新鋭ムラーリ K. タルリ監督。映画制作の経験も、知識すらも全くなかったにもかかわらず、軸となる登場人物6人それぞれの視点からのエピソードとインタビュー映像を巧みに交差させながら、子供から大人へのはざまでゆれ動くティーンエイジャーたちが心の奥底に抱える闇、彼らの脆さとはかなさを描いている。

10代&10代の子を持つ親にオススメ。
19歳が撮った映画とは思えないくらい完成度が高い作品ですがエレファント と似ています。でも模倣と言うよりは思春期の葛藤の映画は概してこのような手法になってしまうもんだと思うので、これはこれでありかと。

この作品はサスペンス的な要素も含んでいて、ラストの自殺する場面から始まり、顔が映らず命を絶ったのは誰か分からない。話が進んでいくうちに登場人物全員が悩みを抱えて、誰もが命を絶つ状況。・・・この手の映画にサスペンス要素は必要なのかと疑問が生じます。確かにサスペンス要素を入れる事で目の離せない作品になっているし、ラストのメッセージも強調させているけど、不満がある。○○がそうさせたんだ。と簡単に納得できるもんじゃないし、心の闇に答えなんて無い。

もう少し見ている人間に簡単に答えを出すのではなく、考える事をさせるようにして欲しかった。


敷き居を低くして10代の少年や映画をあまり観ない大人のために、このような手法をとったのかもしれませんが。

そう考えると意味のある映画かもしれない。