軒先を飴色に輝くボラの卵巣が干されてズラリと並ぶ、
秋の風物詩ともいえる光景
秋の心地よい空っ風が吹く今時期は、
ボラの卵巣の塩漬けを干した珍味「カラスミ」作りの季節
今回は沼津の魚問屋として102年の歴史を持つ
(株)川善さんに、
こだわりのカラスミ作りについてお話を伺ってきました!
ボラの産卵期の中でも、
10月から11月上旬のまだ産卵まで日のある状態=硬い状態を使って作るカラスミは、天下三珍と讃えられる高級珍味
1.5kg~3.5kg程のメスのお腹を開き包丁で開けば、重量のほとんどを占めようかという程大きく成熟した卵巣が姿を現します
現在四代目の川崎幸一さんは独特の逆さ包丁という方法で、
1匹あたり40秒という速さでこの作業を行っていきます
その後、
表面に走る太い血管を毛抜きの裏側でなぞる様にして取り除いてから
真水に2日程漬けて丁寧に血抜きをします
毛細血管からもキチンと血が抜けて綺麗な橙色になったら、
一日塩漬けに
その後、
塩漬けの工程で硬くなった卵巣を一旦水で洗い流してから、
一握りの塩を入れた真水に一晩浸して
「塩抜き」を行い、軟らかい状態に戻します
そして、互い違いに並べて板で挟んで12時間水抜きをするのですが
ここからが難しい
軟らかい卵巣を板でプレスすると、
卵の端っこに圧がかかってしまってどうしても破れてしまう事が多く、
手術さながら糸と針で縫ったりして補整していたのだそうですが、
川崎さんのアイディアで
障子紙を細く切ったものを優しく巻きつけてミイラみたいにして
保護しながら水抜きを行う事で、
手間はかかれど確実に破れを防ぐ事に成功したのだそうです
工程はまだ続きます!
次記事に続く→→
MAMI☆