三越伊勢丹を応援するブログ from Osaka -132ページ目

フロア大胆予測!!

2009年12月16日 / 日経MJより

美術品で文化性前面 国内最大級の売り場


 三越伊勢丹ホールディングスは2011年春にJR大阪駅北口に開業する予定の「JR大阪三越伊勢丹」(大阪市)の基本方針を明らかにした。駅直結部分に国内最大級の化粧品売り場を作るほか、画廊の開設などを検討し、関西文化の発信拠点を目指す。傘下の三越、伊勢丹がそれぞれ得意とする分野を結集することで、近接する阪急百貨店梅田本店や大丸梅田店に対抗する。

 JR大阪三越伊勢丹は西日本旅客鉄道(JR西日本)と共同出資するジェイアール西日本伊勢丹(京都市)を通じて運営する。JR大阪駅北口に建設中の大型ビルの地下2階~地上10階部分に入る予定だ。

 JR西日本は2階部分に改札につながる通路を設置し、駅と店舗をつなげる計画。このため三越伊勢丹は駅の乗降客が行き交う2階からの来店客が多くなるとみて、通常は1階にある化粧品売り場を2階に構える予定。全国百貨店で化粧品売り上げがトップの伊勢丹新宿本店(東京・新宿)のネットワークを生かし、「(同2位の)阪急梅田本店に負けない数をそろえたい」(石塚邦雄社長)としている。

 6階は三越が強みを持つ美術や伝統工芸といった文化性を打ち出す。1フロアを使い切り、全国の有名画家の作品を画廊に集め、文化催事場も併設することを検討しており、西日本を中心とした芸術家の文化展などを開催する予定だ。

 新店は衣料品から雑貨、食品までフルラインをそろえる。ただ石塚社長は「アイテムごとにかなりの規模にしたい」としており、あらゆる商品をそろえるのではなく、特定分野の商品を集積することで、独自性をアピールする。

 このほか、外商営業も再開する。「得意先営業部」を新設し、担当者をを20人規模で配置する。傘下の三越が05年5月に大阪店を閉鎖した後も外商窓口は残して当時の顧客をつなぎ留めてきたが、人員増強で営業を本格化させる。

 新店は売り場面積は約5万平方メートルと、11年春に増床する大丸梅田店(約6万4000平方メートル)、12年春に建て替えが完了する阪急梅田本店(8万4000平方メートル)に比べて小さい。

 一方で伊勢丹は新宿本店に国内最大の化粧品売り場を備え、三越も文化展など催事での集客力に強みを持つ。三越伊勢丹は得意分野を前面に押し出すことで、阪急や大丸との差異化を図る。


フロアづくりも大詰めを迎えようとしています。


ここで!JR大阪三越伊勢丹のフロア構成を大胆にも予測してみました!!



階上 フィットネスクラブ(コナミスポーツ)

10F レストラン(イートパラダイス?)=「ルクア」レストラン街に接続

9F 催物場・家庭用品・こども服

8F 紳士服・雑貨

7F 紳士服・雑貨=「ルクア」メンズファッションに接続

6F 美術

5F 婦人服→屋上プラザへ

4F 婦人服

3F 婦人服 雑貨→南北自由通路へ

2F 化粧品 雑貨→アトリウム広場・JR橋上コンコース・駐車場・阪急へ

1F 特選 雑貨→JR中央コンコース・阪神へ

B1F ヤングレディス(イセタンガール?)=「ルクア」コスメ・フードに接続→阪急・地下鉄へ

B2F 食品


が発表情報、は専門店街「ルクア」



通常、ターミナル百貨店は1F・B1F部分を駅コンコース通路として解放する構造となることが多く、フロアが分断、さらには面積が狭まることが多いんですが、三越伊勢丹の場合、ビルの端に百貨店が位置しており、百貨店敷地の割にはグランドフロアが広く取られるとみられます。


また、ビル西側に位置する三越伊勢丹がB2Fのみビル東側「ルクア」下にもフロアが延びており、ターミナル特有の食品をダイナミックに展開する案が見込まれます。


B1Fは阪急三番街・ヨドバシ梅田・地下鉄梅田駅とダイレクトに繋がるフロア。ここには「イセタンガール」のような自主編集比率の高い流行発信型ファッションフロアとなるのでは?


1F・2Fは京都駅ビルと構造が酷似していることから、ジェイアール京都伊勢丹のフロア構成を用いる可能性が台。京都でもオープン当時は1Fに化粧品を配置していましたが、のちのリモデルで南北自由通路に面する2Fに移転し、1Fは新規導入のハイブランドを集積させています。


6Fの美術フロアまでの3F~5Fは婦人服メインのフロア構成。こうなると婦人服のウェイトは下がりますが、それを補完するのが専門店街「ルクア」と、地下フロアの一部を婦人服に回して面積を確保するとみられます。また、伊勢丹の「解放区」「リ・スタイル」や三越の「ニューヨークランウェイ」などの自主編集フロアを導入し、テナント依存の「ルクア」に対しオリジナリティのある三越伊勢丹で棲み分ける戦略のようです。


「紳士服を2フロア展開」「ルクア7Fにメンズ展開」の情報から、7F・8Fに紳士服・用品のフロアを展開しそうです。7Fはルクアと併せ、ビル全体が「メンズファッションの殿堂」となり阪急百貨店メンズ館に対抗するんでしょうか。


9Fは催物場・家庭用品・こども服・・・これだけがワンフロアに一堂に会するのはかなり狭い!!となると・・・ルクアに一部フロアを確保するか、余剰感のある地下フロアに織り込む方法となるでしょうが、百貨店側としてもそこまで力を入れてくるとは思えませんね・・・

(ただ・・・伊勢丹の大西洋社長は来期よりはじめる新宿本店のリモデルに際し「家庭用品を強化する」と述べており、大阪でもその動向が注目されます)


梅田北ヤードの開発竣工が2013年に控え、北側駅前広場周辺が活性化すれば、三越伊勢丹への人の流れがさらに活発になるでしょう。大阪でいち早く市民権を得られるように、どこにもないオリジナリティと、百貨店らしい普遍的な要素をうまくミックスさせることが必要です。

上棟式の日に思うこと

おめでたい日に、暗い話をしてしまいすみません。


我が(?!)JR大阪三越伊勢丹の入る「大阪ステーションシティ・ノースゲートビルディング」は、本日、無事上棟式を終えました。


思えば、大阪出店は三越の悲願。大阪駅北口の敷地(旧大阪鉄道管理局跡地)を落札し巨艦店を出店する予定でしたが、入札に参加したもののヨドバシカメラに負け計画失敗。そごう大阪店(旧)が閉店を発表した時にも建物ごと買収する案が出たものの、そごうが閉店を撤回し改築することを決めお流れに。(のち2009年に閉店し現在は大丸心斎橋店北館)


三越は永らく大阪・北浜に店を持っていましたが、地の利が悪く売上は低迷。そこに「阪神・淡路大震災」が発生し本館倒壊の憂き目にさらされます。そのことから、西の旗艦を早く完成させ、全国ブランドとしての三越の意地を見せたかったのでしょうね。


その「意地」が天に通じたのか、ちょうどJR西日本の大阪駅開発案件が浮上し、そのキーテナントに三越を導入することで決着。大阪新店の夢が叶ったわけですが、ちょうどその頃・・・


三越の本体の経営は悪化の一途を辿り、地域会社を吸収したり従業員の削減を進めたりなどの合理化策に走るものの業績は低迷を続けます。営業面の不振に加え、バブル期の損失処理が莫大で、1000億円を超える資金ショートが発生したといいます。


三越のブランド力を欲しがるスーパーや外資系ファンドが秘密裏に買収を提案したということですが、百貨店事業の大幅転換を迫られるという危機感からか三越はこれらを拒否したそうです。


その時、三越を救う白馬の騎士(ホワイトナイト)が現れます。


業界の覇者・伊勢丹です。


伊勢丹の武藤信一社長(当時)は、自らの指揮のもと、メンズ館完成を含む新宿本店のリモデルを成功させるなど、「ファッションの伊勢丹」を盤石なものにした、業界のみならず日本経済にとって必要不可欠な存在。のちに三越伊勢丹ホールディングス会長CEOに就任することになる伊勢丹の武藤社長は、社内に根強く残る反対論を押さえながら、トップダウンで統合準備を進めたといいます。


同時に、三越の大阪新店についても議論は紛糾。伊勢丹幹部の多くは、三越の大阪出店をやめさせて、当時伊勢丹が提携していた阪急百貨店(現;阪急阪神百貨店)との関係を強化させるほうがいいとの案を呈していたようです。


しかし、武藤会長は大阪への進出を諦めませんでした。それどころか・・・


「伊勢丹・三越の総力を結集し、統合の象徴にする」


と、意気を高めて大阪に進出する意向を示したのです。


、「伊勢丹新宿本店の洗練されたフロアを大阪に持ち込み、大阪の人に喜んでいただきたい」という、消費者の笑顔が見たい一心であったに違いありません。


大阪市内で会見した武藤会長の未来を見据える輝かしい眼差し。その背後から、暗い暗い影が忍び寄っているとは、露ほども思いませんでした。


この頃から、武藤会長が公の場に姿を現す機会がめっきり減りました。マスコミからは「武藤会長、体調不良説」が飛び交い、HD幹部が否定するものの不穏な空気が広がりだします。


信じたくない、信じられない・・・・



2010年1月9日、武藤信一会長、逝去。



私は個人的に伊勢丹による大阪進出は反対の立場でした。伊勢丹は新宿でこそ輝ける、そう思ってきたからです。どこの誰が、愛する伊勢丹を、こんなに厳しい寒風吹き荒れる大阪で苦労させたいと思うでしょうか?私にとって、阪急阪神百貨店が怖いし、大阪・関西の消費者たちが怖い。苦労するなら出なきゃいい。そう思ったのです。


しかし、武藤会長・・・すいません、私にとってはまだ「会長」は「会長」なんです。会長が亡くなった今、この闘いは単なる「伊勢丹」と「高島屋・阪急阪神」との頂上決戦という意味だけじゃない、一種の「弔い合戦」になったと感じています。


この日から僅か19日後、そう、本日、JR大阪三越伊勢丹の入る建物が完成したのです。


会長は誰よりも、伊勢丹と三越の融合を望んでいたといわれています。伊勢丹が三越を支配し呑み込むことが目的じゃない、世間的には強みのない骨抜きの会社と見られていた三越、その三越の将来性、底力を誰よりも見抜いていたのが他ならぬ武藤会長だったと思います。伊勢丹の顕在化した強みと、今は潜在してしまった三越の強みを合わせれば、想像を超えた満足感を消費者に与える「世界随一の小売業集団」になれる、そう思っていたに違いありません。


今では、大阪出店、意地でも出店しなくちゃならない、私はそう強く思っています。

景気回復が遅れる関西、オーバーストアの大阪、ブランドを自社陣営に囲い込む高島屋・阪急阪神、首都圏の消費者とは価値観も所得も異なる大阪・関西の消費者たち・・・私が出店反対の意見を申し述べ続けてきた時と、状況は何等変化はありません。


しかし、伊勢丹は大阪で苦労すりゃいいんです。必死にがむしゃらにやればいいんです。伊勢丹と三越がそれぞれの強みを持ち寄り、最高の百貨店をつくればいいんです。会長は生前、「大阪の人に喜んでもらえるお店にしたい」と決意を口にしていました。一種の感傷に流されたといえばそうかもしれません。でも、大阪に伊勢丹の名が根付くことを願った武藤会長の熱い想いだけは、何があっても絶やしてはいけません。


そして、苦労の末に、一番店を獲ってみせるのです。「西の伊勢丹」の座を、阪急うめだ本店から奪ってみせるのです。


ただ・・・強いて言えば、上棟のこの時を、会長とともに迎えたかった。。。

オープンの時を、会長とともに祝いたかった。。。



「降るあめの 冷たさ身に染む 上棟の ときを見つめる あたたかき風」


上棟式の行われた大阪で降った雨は、武藤会長が天から降らせた涙雨なのだろうか?でも寒空の中なのに、朱鷺色の春を告げるような妙にあたたかい軽やかな風が吹く。あ、これはきっと武藤会長が大阪にいらしているのだろうか。三越伊勢丹の仲間が、そして寒空の大阪が会長の懐に入ったような温かさに一瞬、酔わされたような感覚になった。会長の魂は、ここで必ず生き続けるんだ!!


武藤会長のご冥福を心よりお祈り申し上げるとともに、私も三越伊勢丹を支持する者のひとりとして、より明確に出店を応援することこそ、会長の大阪への熱い熱い想いを引き継ぐ一助となると信じ、その決意を新たにしたところです。



最後に・・・棟上げ、おめでとうございます!!

三越伊勢丹の福岡事業を考える

=2009/11/10付 西日本新聞朝刊=


三越伊勢丹ホールディングス(HD)の石塚邦雄社長は9日、100%子会社の岩田屋(福岡市)と、三越の支店の福岡三越(同)との経営統合について「2010年度中にも行いたい」との意向を明らかにした。同HDが統合時期を明言したのは初めて。

 11年春に同市に開業する博多阪急に対抗するため、営業基盤の強化を急ぐ方針だ。

 同HD内には、統合時期は「11年度中」との考えもあった。しかし、長引く消費不況で岩田屋の業績は悪化。景気回復の見通しは立たず、博多阪急開業後は激しい消耗戦に突入しかねないため、構造改革を加速させる。

 今後、カード事業をはじめ、商品の受発注、顧客管理など営業関連システムの統合を進める。

 石塚社長は「岩田屋と福岡三越が一人のトップの下で運営され、戦っていく体制を整えることが、一番の阪急対策になる」と述べた。

 同日発表した10-12年度の新3カ年計画にも、競争力強化への戦略として、隣接店の「一体運営」を盛り込んだ。

 同HDは08年4月、伊勢丹と三越が経営統合して誕生。両社のグループ店が隣接する福岡、新潟、北海道の3地域で店舗の経営統合を進め、独立させていく方針だ。

 第1段階として今年10月、岩田屋を完全子会社にした。10年4月に福岡三越を分社化した後、両社を統合する。地元になじみ深い両店名は残す。


高額品が売れない、消費動向についていけない・・・

さまざまな要因で業績不振が続く百貨店業界。とうとう市場規模が7兆円を切ってしまう事態になりました。

今後、百貨店の市場規模はより一層縮小していくものと思われます。

その中で、各社の経営統合や合併が盛んに繰り広げられていますが、これからはこのような店舗の統合が必要不可欠なものとなりそうです。それも単に後方部門の圧縮にとどまらず、店舗ごとに個性を見出ししっかり特徴付けをし、そのコンセプトに沿った店舗運営をすることに腐心しなければなりません。


たとえば、「岩田屋」ブランドと「三越」ブランドの棲み分けをどう図っていくか、西鉄福岡駅に隣接する福岡三越と少し離れた岩田屋でどうコンセプトを変えていくか・・・

よりドラスティックな提案になりますが、ファッションに強い「伊勢丹」ブランドの導入やファッションビルなどへの業態転換、さらには店舗の統合・・・これまでの百貨店の枠にとらわれない改革が肝要になってきそうです。


大阪ではすでに阪急阪神百貨店が大阪市内の「阪急百貨店」「阪神百貨店」の統合を完了し、2012年の阪急うめだ本店グランドオープン時に阪神梅田本店の機能を一部移転させる案があるそうです。ややもすれば、阪神梅田本店が阪急うめだ本店内に完全移転する可能性さえ考えられます。業界でもっとも影響力を持つとされる三越伊勢丹HD、しばらくはライバルの動向に着眼しながらの慎重な改革を求められそうです。