離婚するときには、必ず父母のどちらかに親権者を決めなければなりません。

 

そして、いざ親権者になると、ふとこのような不安におそわれる方がいます。

 

もし万が一、いま自分が死んだら、子どもの親権はどうなるの??

 

という不安です。

 

子どもが未成年の間に親権者が死亡すると、親権は自動的にもう一方の親に移るのでしょうか?

 

実は、離婚後に親権者が死亡した場合でも、自動的に親権がもう片方の親に移るということはありません。

 

民法には、

 

親権を行うものがいなくなった場合には、未成年後見人が選任される

 

と規定されています。

 

未成年後見人というのは、未成年者の法定代理人として、未成年者の監護養育、財産管理、契約等の法律行為などを行う人のことです。

 

未成年後見人を誰にするかは、遺言で指定することができます。

 

たとえば、親権者が余命宣告されているようなケースでは、事前に遺言を作成して、誰を未成年後見人にするのか指定しておくという方法を検討してもよいでしょう。

 

では、遺言がない場合はどうするのでしょうか?

 

この場合は、裁判所に未成年後見人選任の申し立てをして、裁判所に未成年後見人を選任してもらうことになります。

 

親権者の親族が未成年後見人に選任されることが多いです。

 

未成年者から見て、「おじいちゃん・おばあちゃん」や「おじ・おば」が典型例でしょうか。

 

あるいは、弁護士等の専門職が未成年後見人に選任されることもあります。

 

 

では、離婚にあたって親権者にならなかった方の親に、親権を復活させる方法はないのでしょうか?

 

先ほど書いたように、親権者が死亡した場合、未成年後見人を選任するのが原則です。

 

ですが、親権者ではない方の親が、「親権者の変更」の申し立てをすること自体は可能です。

 

これによって、裁判所が親権者を変更するのが適切と認めた場合には、親権者でなかった方の親に親権が復活することになります。

 

ここまで説明すると、未成年後見人選任の申し立てと親権者変更の申し立てが両方されたらどうなるの??という疑問を持たれた方もおられるかもしれません。

 

たとえば、こんなケースを考えてみましょう。

 

夫A、妻Bとの間には3歳の子どもCがいましたが、夫婦が離婚するにあたって、Cの親権者は妻Bとしました。

 

離婚した直後に、親権者であったBが不慮の交通事故で亡くなってしまいました。

 

そこで、Bの母(未成年者からすると祖母)が未成年後見人選任の申し立てをしました。

 

一方で、Aは、Bが事故で亡くなったということを知人から聞き、「それなら自分がCの親権者になるべきだ!」と思い、親権者変更の申し立てを行いました。

 

さて、こんなケースではどうなるのでしょうか。

 

実際にある裁判例で、上記のようなことが問題になりました。

 

この裁判で、裁判所は次のように判示しました。

 

 

「離婚に際して単独親権者と定められた父母の一方が死亡した後に生存する他方の親から親権者変更の申立てがなされ、これと相前後して、別の者から未成年後見人選任の申立てがなされた場合については、そのいずれが当該事件本人である未成年者の福祉に適うかという観点から、その当否を判断する必要がある。その際には、血縁上の親子関係の存在といった点を重視すべき場合も多いことは確かであるが、これに限らず、未成年者の意思、未成年者と各申立人との関係、各申立人の監護養育及び財産管理についての能力や適格性等、当該事案における具体的な事情を比較考量して判断しなければならない。」

 

 

このケースでは、未成年者(大学生と高校生だったようです)が、母親側の親族が未成年後見人となることを希望しました。

 

その一方で、この未成年者は、親権者を父親に変更することを拒みました。

 

その結果、これまでの生活状況などを考慮して、親権者変更ではなく、未成年後見人が選任されるべきという結論になりました。

 

このケースでは未成年後見人が選任されることとなりましたが、結局は、誰が未成年者を監護養育していくのがベストなのかという観点から、判断されることになります。

 

未成年後見人が選任されるか、親権者変更をするのかはケースバイケースということになりますひらめき電球

 

 

 

 

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