熊野古道・伊勢路は、いまだに秘境の感を残す東紀州でも、昔の人々が苦労して歩いていた事をうかがわせる、興味深い路。
一度行ってみたいな、と思っていたが、今回思いきって、松本峠に行ってみた。
松本峠にした理由は、登り口が宿泊先のホテルなみさんから近い事、熊野の市街地が近く安心感がある事、それから初心者向け、といううたい文句にひかれたからだった。
そう、私は、山に関しては、初心者。
週に2~3回、フィットネスジムに行ってはいるが、山登りは、ほぼ未経験。
なので、標高135m、初心者向けの、松本峠にしたのだけれど・・・・
結論から先に言うと、
初心者向けでも、結構きついです。
一人ではなく、誰かと行った方がいいです。
どんなふうにきつかったか、恥をしのんで書いてみますが・・・
まず、大泊からの登り口。
三角形の石が、きれいに積まれて階段をなしており、驚きます。
なんて立派な古道なんだろう・・・・
そして、階段を登り始めます。
なんだか、快適に登れそうです。
でも、そんな事思えたのは、この時だけでした。
この古道は、江戸時代の路らしいです。
鉄道や、国道42号線ができるまでは、この路を人々は歩いていたのでしょう。
という事は、この石路は、昔は盛んに使われていたのに、今は使われていない・・・・
これは、どういう事かというと・・・・
階段の石は、すり減ってつるつるしている上に、苔むしている・・・・・
実は、この日は、朝まで雨が降っていて、明けがたから晴れた、という天気でした。
なので、すべること、すべること・・・・
実は、この先、しばらく写真がありません。
滑らないように階段を登ることで、必死でした。
うっかり滑ったら、横の川に落ちてしまいます。
こんな人けのない所で、川に落ちたら、本当に悲惨です。
さらに、この路、尋常ではない数の、蚊がいます。
私は当初、人けのない古道で、おいはぎに会ったらどうしよう、なんて考えていましたが、心配ありませんでした。
こんなに蚊の多い所で、人が潜んでいる事は、できません。
そして、この日は、晴れて、気温30度まで上がりましたが、パンツまで絞れる位の汗をかきました。
この写真は、写真が撮れる状況だったわけですから、よい路の写真です。
滑る状態の時の写真は、ございません・・・・・
標高135mの松本峠まで、入口から約500mほどですが、かかった時間は50分・・・・
という事は、100m10分・・・・
山に登った事がない、というのは、本当に無知なものです。
階段や、普通の坂を登るような気でいたのです。
でも、実際は、つるつる滑る苔むしたすり減った石の中から、なるべく大丈夫そうな場所を選んで足を乗せ、横の川に落ちないかと心配し、滝のように流れる汗に群がる蚊に堪えるという作業でした。