カタール航空で、ドバイから、ルクソールに向かう飛行機の、窓から見える景色は、見た事のないものだった。
一面、赤っぽい。
眼下に砂漠の広がる景色なんて、初めて見る。
日本人乗客は、皆、珍しがって、窓から外を見ていた。
見ているうちに、さらにまた、珍しいものが見えてきた。
黒い、丸いものが見えるのだ。
初めは、黒丸は、ぽつり、ぽつりと見えるだけだった。
何だろう、と言って見ているうちに、その黒丸は、どんどん増えていった。
いっぱい見える黒丸が、一体何か、気になって仕方ない。
大きさもさまざま、半円形のものもある。
日本人乗客は、最初、油田かなぁ、なんて言っていたが、そんな感じではなさそうである。
思い切ってCAに聞いてみたら、「コーンフィールド」と、ぶっきらぼうな答え。
どうやら、あまりしょっちゅう聞かれるので、面倒な様子だ。
そこで、日本人CAに、改めて聞いてみた。
日本人CAなら、我々の、興味深々な気持ちをわかってくれるはずだ。
聞けば、それは確かに、とうもろこし畑らしい。
黒いビニールハウスのようになっているらしくて、黒く見えるのだそう。
どうやら、とうもろこしは、砂漠のような所でも、栽培できるものらしい。
砂漠地帯を、飛行機で飛ぶ皆様、ぜひ、眼下の珍しい景色も、お楽しみになって下さい。