以前、宮沢和史が、「島唄」を歌ってヒットさせた時、私は内心心配していた。

 

うちなーんちゅでない人間が、沖縄の音階を使ってメロディーを作り、沖縄の事を歌って、大丈夫だろうか。

いくら沖縄が好きでも、「ナイチャー」と呼ばれる立場なのだ。

こんな歌作りやがって、と沖縄の人達に、嫌がられはしないかと。

 

 

その後、沖縄の人達と話をしてみたが、「島唄」は、意外にも、嫌われてはいなかった。

 

むしろ、女性たちからは、好ましく思われているようだった。

 

 

これは、宮沢和史がかっこよかったので、彼自体が沖縄の女性にも好まれ、それで歌のよさも素直に受け入れられた、という事だろう。

 

 

正直、戦争下で、沖縄は「日本人」に、騙されそそのかされ、日本の為に、多くの犠牲をはらってしまった。

 

そんな歴史があるのに、すんなりと「ナイチャー」を受け入れてくれる訳はないのだ。

 

でも、宮沢和史がよかったので、女性陣は、拒否しなかった。

 

 

多くの沖縄女性と話をしてきたが、皆、ジャニーズが好きだったり、山崎まさよしが好きだったり、結構、内地の女性と変わらない。

 

こんな事が、苦い歴史を持つ、沖縄ー日本の関係を、明るく変えていてくれる、と感じている。

 

 

そういえば、我々は、ヨン様の登場という一つの事柄が、あの、暗くよどんでいた日韓関係を、まったく変えてしまったという、歴史的現象を、まのあたりにした。

 

ヨン様が初来日し、連日テレビがヨン様フィーバーを伝えているのを見た、老紳士が、私にぼそっと言った。

あんな***の、どこがいいんだ、と。

 

おそらく、中年以降の日本人男性は、皆そういう気分だったに違いない。

 

しかし、中年以降の日本人男性を上回る力を持つ、「中年以降の日本人女性」がヨン様を支えたから、そんな男どもの文句は、かき消されていった。

 

 

いいものは、いい。

 

素直にそう言える、そんなあたりまえの事ができる、今の状況は、いい。

 

女性パワーは、誰も戻せなかったひずみを戻せる力があるのだ。