インターネット句会-ここ半年間の高得点句(H.6.1~H.6.6月) | 俳句のとりな

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俳句を愛するかたとともに

 

月例句会では、その月の兼題1句と、通季雑詠2句を投句。


また選句は特選1句(2点)と並選(1点)2句を、それぞれが選ぶことに

なっている。

兼題以外の、この半年間の高得点句(5点以上)を見てみると、次の通

り(順不同 )、楽しい景がたくさん詠まれました。

とりわけ、みーみさんのケアハウスの花見の句は、よくある景を平明、

簡潔に描き、多くの票を集めました。


桜を見上げる高齢者たちの笑顔が見えてくるようです。


・一本に集ふ花見やケアハウス(8点)*
みーみ


[特選]
1本の桜の木をケアハウスを利用している方々が愛でている様子が目に

浮かびます。桜の木は嬉しいことでしょう。──かげろふ

あるあるの光景。つい最近同じ場面に遭遇しました。──mjt


・夏雲や病室に置く旅かばん(8点)*
もゆるば


[特選]
病室に旅かばんはいよいよ退院でこのまま静養かねて旅へ…そんな情景

が──杉尾芭蕉

季語が効いています。──mjt

入院の為に色々詰めてきた旅かばん。
「退院したら本来の旅かばんの使い方をするので我慢してね。」と言っ

ているようです。≪夏雲≫に明日への明るい希望があります。──静可愛


・薫風や歌ふ人押すベビーカー (7点)*
三太郎


[特選]
情景がありありと見えてきます。
嬰児ですから口語で、またひらがなの「うたう」なら雰囲気がやわらかくな

るような・・・──いわきり かつじ

取り合わせが素晴らしいです。気持ち良い風に子守のお母さんも歌を口ずさ

む──杉尾芭蕉

鼻歌の若き母の姿。薫風で平和な家族像が描かれている。──雷太


・悴むや言葉たらずに切る電話(6点)*
いっけい


[特選]
中七下五の景に物語。その物語の道筋を上五「悴む」が示す。親子の若しくは

恋人同士の切切した関係が伺える。──雷太

言い返せないもどかしさ?、本音を伝えられないさみしさ?悴む空気なのか、

悴むこころなのか…。なぜだか、昭和のおうちの玄関先の黒電話を想定してしま

いました。──もゆるば


・踏青や水筒に足す寺の水(6点)*
静可愛


[特選]
立ち寄ったお寺での景、季語「踏青」との取り合わせがとても良く、ありありと

響き合っています。何度も暗誦してしまう、味わいがあります。──粋子

上手い句、寺の水がよい。野遊びをしている子どもでは中七下五は生まれないだろ

う。大人の景だ。踏青に詠み手の活力が伺える。迷わず特選。──雷太


・料峭や三角すいの出汁袋(5点)*
粋子


[特選]
春風が肌にうすら寒く感じられる中、現代的な出汁の取り方で出汁をとる。興味深い

です。──静可愛


・父母の墓まえも後ろも春の風(5点)*
静可愛


[特選]
既に両親が亡くなってかなりの年月が経ているのだろう。墓の「まえも後ろ」に詠み手

の思いがある。その思いを春の風にさり気なく委ねている。鑑賞を深くする句。迷わず

特選。──雷太


・若布刈る小舟の沖に駆逐艦(5点)*
reiwa99


[並選] 5


・化粧の手ふと止まりたる初音かな(5点)*
かげろふ


{特選}
 一瞬の景が見えます。──もゆるば


[インターネット句会へのお誘い]
 
どなたでも、気軽に参加できますので、ご希望のかたは、[プロ
フィール]→[メッセージ]から、お申し出ください。
 

[これから俳句を始めたいかたへ]

◎俳句生活で学んだことを、初心者向けに、131回に亘って、綴っ
ています。
 
「はじめまして」(第1回)
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