俳句エッセイ    年に一度の出会い | 俳句のとりな

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俳句を愛するかたとともに

 

暦の上では、小暑も過ぎて、「温風至る」時季とか。


旧の梅雨明けとなり、 暑気が入ってきて、次第に温かい風が

吹いてくるとのこと。

 

各地で猛威をふるい、 被害を出し続けている梅雨前線を、一

刻も早く払拭してもらいたいものです。

 

 

今年も、NHK全国俳句大会の作品募集案内が届きました。

 

今回で22回目となる大会の題詠は、「生」。自由題とともに、募

集期間は7/1~9/30となっています。

 

締切までに、まだ時間がありますので、推敲に拍車をかけたい

ところですが、気になるのが、前回の落選句。


年に、1回の機会ですので、見直してみることに。

 

 一途なる児のまなざしや祭笛

 

作者は、祭笛を吹いている児童の、真剣なまなざしにこころうた

れたもの。


しかしながら、切れ字の「や」で切ったため、祭笛を見ている児童

が真剣なまなざしをしているとも取れるようです。

 

そこで、次のように。
        ↓
 祭笛吹く児のまなこ一途なり

 

次も落選句。

 

 炎昼や父に似てゐる喉仏

 

あまりの暑さに喉が乾き、喉が鳴ったとき、そう言えば、自分の喉

仏は父に似ていたなと思ったもの。


しかしながら、「炎昼」と「喉仏」の関係が、つかず離れずになって

いないため、わかりづらかったようです。

 

ここは、思い切って、発想をかえて、次のように。
         ↓
 ひきがへる父に似てゐる喉仏

 

[今日の一句]

 

・明けぬ梅雨くもの下ゆく雲のあり

 


[合同作品集『金蘭』より自解]
平成三十一年~令和元年

 

俳句を始めて十一年目に。

 

・土筆早や陣を取りゐる土塁跡

 

城跡にある土塁は、日当たがよく、春先になると、真っ先に土

筆が見られます。
和元年4月、講師選。

 

・母の忌の買物かごへ春キャベツ

 

母の忌日が近づくと、やわらかい春キャベツが出回ります。
和元年4月、句友特選。 

 

・囀や園児のつどふ滑り台

 

園児の集まっている滑り台の周辺では、園児それぞれが、一斉に

喋っているので、とてもにぎやか。
第21回NHK全国俳句大会入選。

 

 

 

[更新ブログ]

コンクールに応募する(2)-小島流応募の留意点

(NHK全国俳句大会)
https://ameblo.jp/originalk/entry-12515821534.html

 

[これから俳句を始めたいかたへ]

俳句生活で学んだことを、初心者向けに、131回に亘って、綴って

います。

 

「はじめまして」
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