俳句エッセイ    五月を満喫する | 俳句のとりな

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俳句を愛するかたとともに

 

五月も、早くも半ば。


若葉の美しいころですので、おおいに、残り少ない五月(初夏)を

楽しみたいもの。

 

万葉集には、次の歌など、「五月」の歌が10数首。

 

  暇なみ五月をすらに我妹子が花橘を見ずか過ぎなむ
   高安王
   (暇がなくて、 五月だというのに、わが妻の花橘を見ないで終

    わるのではなかろうか。)  

 

この場合の五月は、 「さつき」で、 正しくは陰暦の五月、陽暦で

六月のこと。

 

現在では、 「さつき晴れ」というと、さわやかな晴天を指して言い

ますが、本来は梅雨時のひと時の晴れ間を指していました。

 

「さつき」は、 「さ+月」のことで、挿月、早苗月の略など、諸説が

あるようですが、決め手を欠いているとのこと。

 

現代短歌では、俵万智さんの、「五月(ごがつ)」の歌が。

 

 何の鳥? おまえがサイコーサイコーと啼いて目覚める五月の

  朝だ
 サラダ記念日

 

一方、俳句では、次のような句が。

 

 子の髪の風に流るる五月来ぬ 大野林火

 

多くの句が、さわやかな印象を受けます。


[合同作品集『金蘭』より自解]

平成二十五年

 

・よく透る母のこゑせり赤い羽根

 

駅のコンコースで、ふと耳にした、募金を呼びかける声。その声

に亡き母の声を聞いたもの。

 

平成25年11月、NHK学園俳句友の会秀作、金子兜太選。

 

・手を取りて翁媼と紅葉狩

 

ある場所に吟行した折りの景。翁と媼が、まるで仲のよい幼児の

ように。

 

平成25年11月、NHK学園俳句友の会入選、鷹羽狩行選。

 

・参道に落ち手袋のVサイン

 

願懸けに出かけた神社での景。

 

平成25年12月、句友特選。


[今日の一句]

 

・聖五月母子語らふ庭青し

 

[俳句を始めたいかたへ]

9年間の俳句生活で学んだことを、初心者向けに、131回に亘って、

綴っています。

 

「はじめまして」
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