俳句エッセイ    春雷や先を急がぬ人力車 | 俳句のとりな

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雷乃発声(らいすなわちこえをはっす)、春の初雷が鳴り出すころ

とか。


春には、移動性高気圧と低気圧が、交互に日本付近を通過する

ため、雷が発生しやすくなるとのこと。

 

 どろどろと桜起すや一つ雷 野坡

 

朝から冷えると思いきや、昼頃から、春の雪が。
淡く消えやすいと言われているとおり、積もりはしませんでしたが、

満開の桜はびっくりしたものと。

 

この桜、万葉の時代から詠まれていましたが、「さくら」と呼ばれて

いたのは、ほとんどが山桜とか。


万葉集中に46首が見られ、そのほか、「花」として詠まれているもの

のうち、桜と思われるものを加えると、約110ほどと推測されています。

 

これは、萩の142首、梅の119首に次ぐもの。

 

 絶等寸の山の峯の上の桜花咲かむ春べは君し忍はむ
 播磨娘子

 

これが、平安時代の『古今集』になると、梅との比率は逆転し、さ

らに『新古今集』になると、桜が圧倒的に多くなると言われていま

す。

 

俳句には、よく知られている、次の句が。

 

 さまざまの事思うひ出す桜かな 芭蕉

 

 死支度致せ致せと桜哉 一茶 

 

さて、この寒気で、桜の花が持ちこたえてくれるのかどうか、気に

なるところです。


本日のN・D・Dの献立は、鳥肉と小松菜のあんかけ丼と、ししとう

とじゃこの炒め物、春雨サラダでした。


[今日の一句]

 

・春の雪小きシューズの干されあり

 

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夏の人事を詠むには-花火
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