美しいモノがここにある。
醜いモノがそれを眺める。
そのあまりの差に、震えながら、怯えながら。
「たいていの事には耐えられるが、これは、無理だ……。」
ポツリとそうつぶやく。
そんな出来事が実際に目の前に現れたら、
私はそれが、美しかろうが、醜かろうが、
きっと逃げるに違いない。
いや、逃げるんだろうか??
でも、現にそうやって生きてきた。
だから今ここにいる、そんな気がする。
そして、私は幸せだ、と、
誰にも聞こえないほど小さな声で、囁くことが出来ている。
私はきっと、
自分の幸せを、誰にも見せずに生きようとしているんだよ、あくどき者よ。