愛する人

いつ死んでもいい。

結美と出逢うまで、俺は本当にそう思って生きていた。

執着する物も人間もいない。

大事なものなど、ひとつも無かった。

 

 

残っている金をとっとと使い果たし、さっさと消えるか。

そう軽く思い、夜の街に金を落としていた。

そんな世界で結美と出逢い、俺は変わっていった。

 

 

大事な人を大事にするのは当たり前の事で。

大事な人が悲しまないようにするという事も、初めて意識するようになった。

 

 

愛する人を、泣かせたくない。

 

 

そう思っている、いつも。

本当に、そう思っているんだ。

いつでも。