悲劇の出来事 | ☆★☆なにはともあれ自分のために書くブログ☆★☆

悲劇の出来事

木枯らしが冬の到来を告げ始めた10月の中旬。智美は何気なく窓の外を見ていた。


 長い間ともに過ごしていた智美と裕司が、裕司のニューヨーク転勤で離れ離れになってからもう10年がたとうとしていた。
 

  月日がたてばたつほど色あせていく物のなかに裕司の思い出が浮かび上がっていくように智美には思えていた。裕司が智美に出発の日を告げないでニューヨークに旅 立ったことは、智美を傷つけたくないという裕司の優しさだということは健太に知らされたが、智美にはその優しさと会えない月日が相乗効果でつらくなって いった。
 

 裕司と智美はふたりが出会ったでのあの夜を忘れないために、出会ったその日から、毎月20日の夜23時に電話を欠かすことがなかっ た。10年前に途切れてしまったその約束を、智美は悲しいというよりいじらしい思いで捉えていた。いまでも毎月20日になると、電話のこない辛さととも に、中途半端に連絡をとることで智美を傷つけたくないという裕司の優しさに触れられるような気がしていた。あの日から智美の約束は、グアムに続く青い空を 眺める慣習に変わっていた。












ジリリリリ








ジリリリリ








けたたましい電話のベルがなり、智美はわれに帰った。20日の夜23時。そう、今日は智子と裕司が出会って10年のその日であった。











ジリリリリ






智子はおそるおそる受話器をとった。























がちゃ













「もしもし?こちらこの間アルバイトの面接に来ていただいたザ〇オですが、orattaさんですか?あ、あなた不採用になりますので、お願いしま~す(・ω・)ノ」



がちゃ














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