
悪のリーダー論:
ここ数年、世界を見渡してみると国のリーダーといわれる人に
「独裁者」といわれる人物が多くいます。
米国のトランプ、中国の習近平、トルコのエルドアン、イランのハメネイ、
北朝鮮の金正恩、日本の安倍首相もまた独裁者的と批判されています。
民主的選挙によって形成された議会を重視する民主主義は実際のところ
武力行使を含む現代世界の危機に対して迅速な対応ができません。
民主主義社会では議会でコンセンサスを得なければならないからです。
でもコンセンサスを得ることに時間を費やしているうちに
事態はどんどん変わっていきます。
このような世の中では国民も国民や国家の生き残りのために
彼らのようなリーダーを容認する傾向にあると。
そして独裁者の周囲には利益集団がいるそうです。その人物を最高指導者にすることで
自らのグループの利益を満たせるという。
強固なイデオロギーで凝り固まっている体制でない限り、
独裁者というのはありえない、というのが世界の構造だといいます。
これだけスケールが大きくなると果たして何が悪で何が善か?更に一概ではいえなくなりそうです。
孤独のすすめ:
人生には青春、朱夏、白秋、玄冬と4つの季節が巡るのが自然の摂理。
上り坂よりも下り坂のほうがより味わい深く、
楽しく心豊かなものであるという著者の視点は
たくさんの示唆が含まれているように感じました。
先日テレビ番組で著者へのインタビューを拝見したのですが、
流行りの断捨離に異議を唱えてみえました。
何もかも捨ててしまうとその思い出までもを捨ててしまうことになると仰っていました。
モノには回想の糸口がたくさんあり、人生の後半でその回想に浸るのはとても幸せなことなのに、と。
すっきりとモノのない空間がもてはやされるこの頃です。
五木さんの言葉に触れてから
行き過ぎた断捨離についてちょっと考えなおしてみたいと思いました。
この本の中で心に残ったのが「なぜ不安になるのか」の章です。
漠然とだけれど巨大な不安に国全体が覆われている現在。
昭和30年40年代のような高度経済成長はもう来ないだろうし、
大震災の大津波で引き起こされた原発事故は日本の安全神話を打ち砕いてしまいました。
我々は「何を信じたら良いのかわからない」という際限のない不安だらけの中にいると。
著者は今の日本は日本史でいえば平安末期から鎌倉初期に似ているといっています。
しかし、それとは裏腹に私たちの目の前に展開する現実は
高級車が街を走り、一流レストランは半年、一年先まで予約がいっぱいというもの・・・
漠たる不安に面と向かって対峙しては身がもたない我々はとりあえず
それらから目を逸らし、棚上げし、次から次への提供され消えていく
目の前の享楽、週替わりのスキャンダルで気を紛らわしているというのです。
心の中では不安にさいなまれながらも、SNSで華やかなネタに盛り上がり
とりあえず不安を先送りしている、、そんなところでしょうか。
厳しい現実と浮世離れした明るさの間の落差。
「そこに何があるのか?」というところに
注目されているところに一流作家の鋭い眼光を感じたような気がしました。

食事術:
炭水化物大好き人間の私には痛い内容でした。(T.T)
今月読んだ本の中では一番多く付箋を貼った一冊です。
ユニクロ:
店舗にスタッフとして潜入した著者が書いたユニクロ内部について。
心が痛むのは縫製などを下請けしている途上国の人たちが置かれた
搾取の現場です。ファストファッションを喜んで買うことが彼らの生活を
より苦しい立場に追い込んでいるといこと。
こんな本を読むとやっぱりモノには適正な価格がつけられるべきと
改めて思います。
安いからと次から次へ買って消費して捨ててしまう生活は品性がないと
いわざるを得ないのかもしれません。

心屋さん。気になる作家さんと出会うとその人の著作を5~10冊くらいまとめて読みます。
そうすることでその著者の考え方、価値観などが大方把握できるからです。
ライフスタイルや考え方が素敵だな、と思ってフォローさせていただいている
ブロガーさんが数名いらっしゃいます。
偶然ですが、その中のお二人が同じ頃に
心屋さんのファンだと書いておられ・・・それで興味を持ちました。(#^^#)
描かれている世界観は日本の伝統的な価値観に染まっていればいるほど
反発を感じる内容じゃないかなと思いました。
実際にはここで書かれてような生き方や考え方って
一般の社会で受け入れられない、と思ったのが第一印象でした
・・・が、いや待って。
このままの世界を私も経験し、
心屋さんのいう「考え方」を何の負荷も感じず実行していたことがありました。
20代で海外生活をしていた頃です。
そしてその頃は不思議なくらい全てが順調でした。
物事の考え方、捉え方次第なのかと思いますが、
私は心屋さんのいっているような考え方が割と好きですネ。(^-^;

さてさて2017年、今年読んだ本の冊数を数えてみたところ
合計で105冊でした(漫画は除外)。
毎年ノルマにしている100冊をかろうじてクリアしました。
フルタイムで仕事をやめたから200冊くらい読めるかなと思っていましたが
自由時間が増えると余計なことばかりしてしまって
意外と読めないものです。
来年は流行りの本だけでなく、名作といわれる作品や
古典などを紐解いてみようと思っています。