少し前から
利用が始まった
認知症のご利用者さん
記憶障害や見当識障害などの
中核症状があります。
すっかり
馴染んだご様子で
他のご利用者さんと
仲良く交流されています。
いつも
スマートフォンを
持っておられるのです。
そして
内蔵のカメラ機能で撮影した
お孫さんの写真を
私に見せてくださるのです。
可愛いお孫さんでした。
いつもより
お帰りの送迎が遅くなった
ある日のこと
ご自宅までお送りしたら
玄関まで奥の部屋から
小さなお子さんが
走り出てきたのです。
お孫さんが
遊びにいらしていたのでしょうか。
ご利用者さん
いい笑顔でした。
やはり
お孫さんが
可愛いのですね。
スマートフォンのアルバムには
お孫さんの写真が
いっぱい収まっていました。
10月のある朝
お迎えに伺うと
ご利用者さんのご家族が
お帰りの時間を
気にされているご様子でした。
ご利用の相談のときに
ご家族の介護負担を軽減する
という目的がありました。
ゆっくりされたい日なのかな
と思ったのですが
ご家族から
今日は孫の運動会なので
という言葉が。
ご利用者さん
お孫さんの運動会を
知らされていないのでしょうね。
ご利用者さん
いつものように
スマートフォンを持って
笑顔で送迎車に乗り込むのです。
移動中の車内でも
いつも通りのご様子です。
この後
ご家族は
お孫さんの運動会へ
お出かけされるのでしょう。
ご家族の介護負担を
軽減できているかもしれません。
でも
何だか
切なくて。
ご利用者さんの
スマートフォンのアルバムに
お孫さんが運動会で走っている写真は
収められていないのです。
ガンバレ!
と声援を送ることも。