健康を維持するためには、日頃から運動をした方が良いと言われています。しかし、健康のためにしている運動も、あまり頑張り過ぎてやってしまうと、逆に健康を損なうことになってしまいます。

 

免疫には自然免疫と獲得免疫というものがあります。自然免疫は生まれつき体に備わっていて、体内に侵入してきた細菌やウイルスなどの異物を免疫細胞が見つけて退治するようになっています。獲得免疫は、自然免疫が退治した細菌やウイルスに対する抗体を作ることによって、それらの再侵入を防ぎます。インフルエンザの予防接種などは、獲得免疫の働きを利用したものです。

 

免疫細胞の代表的なものにナチュラルキラー(NK)細胞があります。ナチュラルキラー細胞は、腫瘍細胞やウイルス感染細胞を見つけ次第攻撃するリンパ球です。ナチュラルキラー細胞は、血液中に存在するリンパ球の1030%を占めていて、自然免疫において重要な役割を担っています。

 

激しい運動を行ったあとには、ナチュラルキラー細胞の活性が低下してしまいます。例えば、2時間以上ランニングしたあとには、ナチュラルキラー細胞の活性が5060%低下するということがあるようです。

 

フルマラソンは2時間を超える運動ですので、その後は免疫力が低下してしまいます。また、マラソンに参加するために負荷の高いトレーニングをしていますので、その後も免疫力が低下しています。

 

下のグラフは、マラソンランナーに2時間半のランニングをした前後のNK細胞の活性を調べたものです。


NK細胞活性

資料出所:日経ウーマンオンライン

 

ランニングの直後は、ランニング前よりもNK活性が上がっていますが、1時間半後にはランニング前の61%も低くなっています。そして、6時間後でも半分くらいしか回復していません。

 

マラソンに限らず激しい運動をした後は、ナチュラルキラー細胞の活性が落ちて免疫力が低下してしまいます。

 

実際に、激しい運動をした後には風邪やインフルエンザに罹る人が少なくありません。激しい運動をしている人は体が強いと思われがちですが、激しい運動をした後は免疫力が低下してしまうので注意が必要です。

 

一方、ウォーキングやジョギングなど軽い運動であれば、ナチュラルキラー細胞の活性が高まって免疫力が向上します。

 

軽度の運動は免疫力を向上させるので健康には良いのですが、頑張って激しい運動をしてしまうと、その直後は免疫力が低下してしまいます。健康のために運動をするときは、程々にした方が良いようです。



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