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昨日9日滋賀県の大津地裁が、福井県の高浜原発(関西電力)の3号機4号機の運転差し止め判決をして、原発の強行停止させました。
2基への差し止め仮処分決定は、昨年4月の福井地裁決定以来2度目です。


しかしこの2基は、原子力規制委員会の新規制基準の審査に合格し、つい最近再稼働したばかりです。
関西電力からの安全への説明が不十分だったとのことですが、原子力”規制”委員会の基準クリアの物件です。どんどん厳しくなる安全基準をこの原子炉は、”合法的にクリア”しているわけですね。


それを、エネルギーに関してはド素人の地裁が「不十分」というのは、もはや、司法の暴走ではないでしょうか?


住民側は、関電が設定した基準地震動(耐震設計の目安となる地震の揺れ)では安全性を確保できないとか、津波対策も不十分としたほか「事故が起きれば、琵琶湖が汚染され近畿一帯の飲み水に影響が出る」と主張したそうです。


事故が起きれば・・・です。当然です。
安全確保は十分過ぎることに、私も異存はありません。


しかし問題は、”もしも事故が起こったら”ということではないのです。
なぜならば原発は、止めたからといって安全ではないからです。

差し止めを申し立てた住民の方、そしてこの判決を下した大津地裁の山本善彦裁判長が、「原発を止めれば安全になる」と思っていらっしゃったら、それは大きな誤解なんです。


原発は止めたからといって、安全ではありません。
原子炉の中には、熱い燃料が残っているからです。


原発の停止とは、単に制御棒で核分裂を止めているだけであって、一度核分裂を起こした燃料棒は、高熱を持ったまま、原子炉の中に残っているんです。これは、完全に冷やさない限り、また核分裂を起こしてしまうんですね。


つまり、原発を停止しても、今度は、永遠に冷やし続けなければならなくなるだけ なんです。


東北大震災から5年が経過しますが、不幸を繰り返したくないならば、福島第1原発事故をよくよく精査するべきです。
M9と言われた地震でも、45年前の原子炉は壊れず、震災の揺れで自動緊急停止しました。


しかし津波によって、自家発電用のディーゼル発電機が故障し、それで緊急冷却システムが作動できなくなって、熱くなった燃料棒を冷却できずに、あの事故は起こっています。


このように原発ストップをしても、燃料棒は熱いままなので、冷却しないといけませんが、いつまで冷やさないといけないかご存知でしょうか?


10年では冷えないんですよ。



火の点きにくい燃料は、同時に火が消えにくい燃料でもあります。
バーベキューなどで使う木炭などは、燃剤を使わないと火が点きませんよね。


一旦火の点いた木炭の火を消す場合は、今度は中々火は消えません。

水をかけても消えず熱い蒸気が出て危険ですし、土に埋めても、土の中で燃えていますので、火事の原因になるのでやってはいけません。
木炭の消火は、専用の消火用の容器で、酸素を絶って消火する必要があります。


木炭でもこのようなものです。

原発の燃料は、もっとも比重の重い物質のひとつであるウランです。


完全に冷却が終わるのには、数十年かかります。100年かかるかも知れません。
私たちの、孫子の代までです。いや、それ以上かかるかも知れません。


もしもその間に、何らかの冷却系のトラブルがあれば、福島第1原発で起こったような事故になるんです。
ですから原発は、止めたからといって安全ではないんです。無意味だし、危険な年月が長くなるだけなんです。


むしろ安全を考えるなら、厳密に管理されている原子炉の中で、燃料を燃やし尽くしてしまうのが、最も、否、唯一の安全な方法なんです。



原子炉の中で燃料が燃えているならば、原発施設の外に放射能が漏れることはありません。
今原子炉に入っている燃料は、厳密に管理されている原子炉の中で、まずは燃やし尽くすべきです。それだと10年も経てば、燃料は燃え尽きます。


100年も危険なものを冷却し続けることを考えれば、その方がはるかに安全だと思いませんか?


その間、ただ燃やすだけならもったいないですから、それで発電すれば良いし、その間に次世代大規模エネルギーに関して、構想すればよろしいのではないでしょうか?


私は個人的には、今の原子力政策は万全ではないと考えています。
それは、「こうすれば、放射能漏れがない」という前提で造られていると思えるからです。


人間の造るものですから、100%のものはありえません。

ですから「当初から、放射能漏れしても大丈夫なように、放射能漏れしても大丈夫な場所に造るべきだ」と私は考えています。


私案ですが深い地下や山の中に、地下水でも冷却できる小規模の原発施設をたくさん造れば良いと考えます。

これならば、分厚い土で放射線は完全に遮蔽できます。

もし事故が起これば、従業員を非難させて、施設を捨てて埋めてしまえば良いです。

これならば原子炉のメルトダウンが起こっても、地球の奥深くに落ちて行くだけですから、地上には何ら被害は出ません。



この案は日下公人(くさかきみんど)さんのご講演でお聞きし感動しました。


原子力空母や原潜規模の小型原子力エンジンでも、火力発電クラスの発電量があります。小型の原発など完全な実用技術です。


日本は電気文明国家ですから、どのように電力を作るかは、国家の規模や命運を決めてしまいます。
また石油依存脱却は、国防負担を減らします。これは第2次世界大戦の反省です。


放射能怖さに、夏冬の電力消費量の多い時期に停電の恐れのある状況など、絶対に作ってはいけません。
放射能で死ななくても、電力不足で病院で手術ができなくなる方が、遥かにリスクは高いんです。


私の勤める病院なんて電気文明オンリーで、治療や検査に大量の電力を消費しますから、電力不足にものすごく弱いので、医療従事者としては、脱原発は勘弁していただきたいです。


3月11日前後にFUKUSIMAと題して、様々な脱原発ムードが高まると思いますが、現実的で冷静な分析と、将来のビジョンに則った議論がなされることを、心から希望します。


最後に、もう一度繰り返させてください。

原発は、停止している方が、遥かに危ないんです!


それでは、またのお越しを。