今年も猛暑の夏が始まった。関東の梅雨明けも例年より早くなった。

前からの計画で山仲間3人で岩手の焼石岳に出かけたが、ほんとうに久しぶりの山歩きだ。

 

前日埼玉をゆっくりと出発し、途中登米市の登米(とよま)を観光して千貫石温泉に素泊まりした。

安くあげるためもあるが、ネットで調べた時、都合により夕食の提供を休止していると書いてあったからだ。

でも宿について聞いてみると夕食も出しているとのこと。

われわれは、サービスエリアの昼食をたっぷり食べていたのでコンビニのおつまみとビールで十分だった。

 

宿を4時半ごろに出発し、中沼登山口に5時半近くについた。

おもったより時間がかかったのは、国道から駐車場までの林道が未舗装なので時速20kmが限界だったからだ。

林道だけで20分以上かかってしまった。

 

5時45分、支度をおえて中沼へと出発。

深い広葉樹の原生林の中を小さな流れにそって登っていく。

 

暑さを心配していたが、この日は曇りで暑くはなかった。

沢の小さな橋。「通行注意、橋が壊れています」と書いてあった。

本当は2本並んでいたのだろう。

 

ブナもたくさん混じっている広葉樹の森。

下草が豊かに繁っているので足元が見にくいところもある。

 

おおよそ1時間で中沼に到着。

沼の南を水辺に沿って歩いて行く。

 

その水辺にかなり大きなブナの木があった。

 

中沼をすぎて上沼へとむかう。

途中に開けたところが点々とあってお花畑になっていた。

 

名前を知らない黄色い花々の手前にアザミ。

 

ヤマアジサイやヤブデマリなどが咲いていた。

 

足元の流れの中に大きく成長したミズバショウの葉。

6月なら花が見られるのだろう。

 

 

コバイケイソウは花が終わったのだろうか。

 

モミジカラマツもたくさん見かける。

 

中沼から40分ほどで上沼に。

ここまではところどころ木道があって歩きやすかった。

 

沼の向こうに少し雲に隠れているが、東焼石岳から伸びる稜線が見えていた。

風が吹き抜けて気持ちがいい。

ピーカンに晴れていなくてほんとうによかった。

 

マルバダケブキも姿を見せた。

ここまでずっと沢に沿った道なので、湿気を好む花が多い。

 

なんだかフキの林をかき分けていくような感じだ。

このあたりから少し登りの斜度が少し増えてきた。

 

8時15分。中沼コースとつぶ沼コースの分岐に到着。

分岐点の下が湿原風に開けていて、見やすいところにコース名の横断幕が設置してあった。

そして分岐点付近にはアヤメの仲間。

さて正確な名前はよくわからない。

 

 

分岐点から30分で銀明水の休憩ポイント。

ひろくなっていて、木のベンチも設置されている

 

避難小屋があるはずと探してみると、登山道からはずれた高いところに立派な小屋があった。

 

 

休憩のベンチからは全然見えないのだが、出発して少し登って振り返るとよく見えた。

銀明水が1149m。

ここからいよいよ焼石岳へむかって広い斜面を一段一段あがっていく感じだ。

 

高い樹木が少なくなったが、下草をかき分けて進むようなところもあった。

 

緩やかな斜面では木道が敷かれ、周りにはいろいろな花が咲いている。

少し急なところは、道に丸っこい石がごろごろして歩きにくい。

仲間の一人は少し目が悪いので、そういうところではよろけてしまうことが増えてきた。

 

木が生えていない広い斜面を登るかたわらの谷間に残雪が見られた。

 

そしてその上に急な木段道が続いていたが、足元はドロドロなので、目の悪い彼女はときどき泥にはまってもがいていた。

よろけたりするのは、意外と疲れて足にきてしまうものだが、案の定ペースが落ちてきた。

 

急な登りは少ないが、長い登りが続く。

ハクサンチドリが咲いていた。

 

背の高い樹木がほとんどなくなったので少し斜度のあるところでは北上川の谷が見渡せた。

 

 

少し登りがきついところでは小さな谷間になっていて、雨が降れば川になるのだろう。

道はごろごろの石ころだらけ。これが彼女を苦しめている。

 

ヒヨドリバナ

 

ハクサンシャジン

 

いよいよ焼石岳の中心部。広い溶岩台地が広がる。

 

11時20分、ようやく姥石平に到着。ここは東焼石岳との分岐点。

余裕があれば、焼石岳から奥にある焼石神社により、東焼石岳をまわってここに戻る周回が可能だ。

しかし、すでに5時間半近くかかってしまっている。

しかも少しガスがかかって肝心の焼石岳山頂が見えない。

 

この姥石平付近が花の名山焼石岳の核心部。

オオバギボウシやマルバダケブキが一面に咲き誇っている。

季節がもう少し早ければ違う花も見られるはずなのだが。

 

とりあえず少し先にある泉水沼まで行ってみることにした。

 

姥石の分岐から10分で泉水沼のほとりに到着。

ここで休憩し、軽食をたべた。

 

これが泉水沼。

台地の上のくぼみにできた小さな水たまりだ。

 

ちょうどガスで山頂が隠れているときに記念撮影(笑)

 

少し山頂が見えてきた。

 

ようやく山頂が姿をあらわした。ここから普通なら30分もかからないが、今日の仲間の体調では無理がある。

それに下りも長い。そこでここで引き返すことにした。

山頂はガスに隠れ気味だし、焼石岳のお花畑は堪能できたのでこれで十分だろう。

 

帰りにも姥石平付近のオオバギボウシの群落を撮影。

 

 

 

一段ときれいなハクサンフウロをみつけたのでアップで撮影。

 

宿には泉水沼のほとりから電話をいれて到着が遅れることを伝えてあるので急ぐ必要はない。

岩ごろごろの道でころばないよう気を付けながらくだった。

中沼登山口の駐車場には5時すぎに到着した。

さあ温泉だ。