松田優作は『野獣死すべし』以来アクション俳優から演技派への転向を図っていたが、
その時代の最も難解な作品とされていてB級アクションマニアには
敷居が高かったが先日観た吉田喜重監督の『告白的女優論』が素晴らしかったので
挑戦してみた。予想通り、意識高い系の作品ではあったが
ラストまで観てこれはダークファンタジーして楽しめば良いと気づいた。
あらすじ
鎌倉時代、山に住む一族の長高丸(三国連太郎)に京の都で拾われた鬼丸(松田優作)
は高丸の娘絹(田中裕子)と育った。やがて分家の光彦(名高達彦)に嫁入りした絹。
高丸の死後、嫡子の秀丸(萩原流行)が戻ると鬼丸は姿を消す。数年後将軍から
一族全ての領地の地頭となった鬼丸は復讐の炎を燃やす。
重要な点
イギリスの古典を日本の鎌倉時代に置き換えた作られた作品で構想28年とのこと。
ストーリーはもはや周知の事実なのでどのように演出されるかが観るべきポイントか。
音楽は現代音楽の巨匠武満徹で素晴らしかっった。
良かった点
松田優作は大きな身体を活かして狂気じみた鬼丸を好演。
田中裕子も流石の貫禄。たしかにこの当時トレンディドラマが流行っていて
ここまで演技できる女優は少なかった気がする。
悪かった点
あらすじとかストーリーを楽しむ映画ではなく
演出や演技、そして総合的な映像を楽しむ作品。
阿蘇山でロケがあったのが印象的だった。