『日本沈没』(1973年)のヒットで再び作られた
東宝のSFアクション大作。小松左京原作藤岡弘
主演である。64年から週刊漫画サンデーで連載されていたため、
66年に一度映画化が企画されたが流れている。
74年のユリゲラー来日による超能力ブームに乗って製作された。
マリア役の由美かおるは小松左京の指名で決まっていたとのこと。
この作品では美しい姿態を披露している。
あらすじ
レーサーの三木(草刈正雄)は超能力で世界平和に貢献するという組織
エスパイに勧誘される。そこで先輩の田村(藤岡弘)・マリア(由美かおる)
らとともに欧州のエストニアの首相を警護する任につく。
先に欧州に飛んだ田村とマリアであったが敵対する超能力機関(反エスパイ)
の罠に落ち、田村は一時的に超能力を失ってしまう。パリで合流したエスパイの
メンバーであったが、指導者であるサラパッド師(岡田英次)を失いながらも
エストニア首相を日本まで護衛することに成功する。しかしに日本においても
反エスパイ組織のリーダー:ウルロフ(若山富三郎)の魔の手が伸びる。
エスパイはエストニア首相を守れるのか?
重要な点
前半は欧州のシーンロケが美しい。鉄道のシーンなど中々見応えがある。
主演の藤岡弘も体を張っており、存在感がある。この当時は
『日本沈没』『エスパイ』『東京湾炎上』と東宝の大作に立て続けに主演を務め、
TVでも『仮面ライダー』、『特捜最前線』などいい作品に出演している。
良かった点
藤岡弘演じる田村が男臭い中に、優しさとマリアへの愛を語るシーンが中々良い。
また由実かおるがバレエで鍛えた美しい姿態を披露している。
また草刈正雄の二枚目ぶりも存在感がある。
悪かった点
加山雄三が今一つ活躍しないのが残念。睦五郎や岡田英次の方が
体を張っている。悪役のウルロフ役の若山富三郎は安定感がある。
娯楽大作としては007並みに面白いと思うがあまり知られていないのが残念。