非認知能力とは?どうやったら伸ばせるの?
社会的経済的に成功している人が共通点には「非認知能力」という秘密があるそうです。

これは2017年に改訂された、こども園の教育・保育要領の解説書を読んだときに知りました。
もしかしてこの力を育てる事が、子どもの能力の飛躍に、幸せな人生のカギになるのでは?という、嬉しい驚きに高揚しました。それは今でも続いています。

特に乳幼児期のお子さんと関わりのある方、まだまだ自分の能力を向上したい方、全ての方が知っておくべき力の秘密を一緒に学んでいきましょう!!

①非認知能力が注目されているわけ
②非認知能力とは
③どうやったら非認知能力を伸ばせるの?

①非認知能力が注目されているわけ
今までは記憶力や思考力などの「認知能力」の高さが社会的成功につながると考えられていました。

ノーベル経済学賞を受賞した経済学者のジェームズ・J・ヘックマン博士の研究報告によって
「非認知能力」という概念が注目をあびました。

ヘックマンの報告での注目ポイント
「教育は開始時期が早いほど費用が大きくかからず、成果が出やすい。
その教育は、認知能力だけでなく、非認知能力の育成が重要」

非認知能力の向上は税収が増え、犯罪防止や病気の治療にかかる公的なコストも抑えられるという国政的にも喜ばしいデータも!

幼児期に1ドルの教育的投資をすると
→大人になって6~10ドル社会に還元される、というデータもあるようです。

ペリー就学前プロジェクトを子どもがいる貧困層に実施し
(現在も調査続行中という気合の入った調査です!)
受けた子と受けていない子では
就業率や収入、健康面などにも大きな差が出たそうです。

、、、という事で、世界中が驚き注目されるきっかけとなったのです!

非認知能力はOECDがもともと考えていた
新しい学力「キーコンピテンシー」という概念とも重なる部分が多く
ヘックマン博士によって裏付けされたような感じなのでしょうか

そのためOECDは「教育の中で特にコストをかけるべきは「保育・幼児教育」という
動きとなり、OECD加盟国諸国も重点投資に動き始めたそうです。

その流れから、2017年の保育園、幼稚園、こども園での方針にも非認知能力の向上を目指す流れがはいってきました。

OECDとは?
日本語にすると経済協力開発機構
経済成長、開発途上国援助、多角的な自由貿易の拡大を主な目的とした
世界のみんなで経済的な協力をしていこうという機関
政治、軍事以外の経済・社会の広範な分野で活動しているので
教育の事もOECDでの見解があるのですね!

外務省https://www.mofa.go.jp/mofaj/comment/faq/keizai/oecd.html
https://www.weblio.jp/content/OECD
https://mainichi.jp/articles/20140501/mul/00m/030/013000c

②非認知能力とは
認知能力=IQ 
非認知能力=EQ と表現されたり

いくつか提唱はありますが、私の記事では全体的に汐見稔幸先生の提唱をベースにしています。(汐見稔幸先生著:さあ子どもたちの「未来」を話しませんか)

非認知能力とは~大きく分けて3つ~

1.忍耐力(グリット)
  がんばれる:どんな困難に出会っても、諦めずに最後までやり抜ぬこうとする力

2.自信・楽観性(自己肯定感・有能感・レジリエンス)
  大丈夫:私ならできる、挫折や失敗があっても大丈夫、次はこうしてみようという折れないしなやかな心

3.社会性(コミュニケーション)
  つながれる:私はこうしたい あなたはどうしたい?などの多様な価値観を受け入れ、自分の思いも伝えお互いを尊重し協力し合える力



日本の幼児教育界では昔から非認知能力の一部を大切にしていた?!

幼児教育では社会情緒的スキル「心情・意欲・態度」を「環境
を通して行う教育」により育むこと
子どもの意欲や興味・関心を大切にしてきたそうです。

ただ、グリッドのようなやり抜く粘り強さなどは
伸ばせる力というよりは
気質や性格的なものとして考えられていたようです。

③どうやったら非認知能力を伸ばせるの?
【自分は愛されていると実感できるかかわり】
・丁寧にかかわる
・じっくり向き合う

→自分はいつでも受け入れられている存在
 存在価値のある人間
 
 何があっても私は大丈夫
 頑張ってみようやてみよう

脳の構造にも秘密があります。大脳辺縁系や脳幹部という所が
非認知能力を育てる部位なんだそうです。

ここは安全な場所なのか?
そばにいるのは敵なのか?

命を守るためにこれらを察知します。

「ここは安全な場所だよ」
「そばにいるのは私の味方だよ」
という事がわかるように接すると、大脳辺縁系や脳幹部が健全に育ちます。
原型は5歳頃までに育ちます。

この大脳辺縁系や脳幹部は、前頭連合野と呼ばれる大切な部分と密接につながっています。
前頭連合野は「記憶力・思考力・計画性」などのいわゆる人間の脳(認知能力)です。

大脳辺縁系や脳幹部が健全にそだっていると
前頭連合野へポジティブなエネルギーが伝達され、すくすくと育っていくのだそうです。

何歳からでも育ちますが、5歳頃までの原型ができる時に
力を入れて育てる方がはるかに伸びがいいですよね。

だから、非認知能力を育てると認知能力があがっていくのですね!

今後はさらに具体的な事例なども紹介していこうと思います!

写真はPublicDomainPicturesによるPixabayからの画像 です